SixTONESはなぜクリエイター魂をくすぐる? 最新シングル『共鳴』から感じる、6人の“音楽を届ける力”
「Waves Crash」(初回盤A)はこれぞSixTONESともいうべき、ハードなEDMサウンドに乗せ放つ“ゴリゴリ”のヒップホップナンバー。ONIGASHIMAが手がけたリリックが高速ラップとなって炸裂し、まさに制御不能の6人を見せつけている。しかし「FASHION」(初回盤B&通常盤)は一転、なんともカラフルでいかにもアイドルらしいポップナンバーだ。ルックブック風のMUSIC VIDEOも話題で、クールさとは真逆にキャラクターを前面に出し、楽しませてくれている。そして「Gum Tape」(通常盤)は、やはり他の楽曲と違う温度感を楽しめる。過去と現在、現在と過去を行き来する「僕」の心情を映し出すようなアコースティックギターの音色が印象的で、温もりだけが残る部屋で、恋人との思い出を、ラップ調のメロディで切なく紡いでいくラブソングだ。二人の関係性を〈僕らを繋いでいたものは糸よりも脆い Gum Tape〉というフレーズで表現し、6人の声が重なるとどこまでも切なさが広がっていく。uno blaqloのサウンドメイクが光る。
このように、SixTONESならではのバラエティに富んだ構成のシングルは、音楽で勝負するという6人の意志がきちんと貫かれている。デビュー曲がX JAPANのYOSHIKI提供の「Imitation Rain」、そして5thシングルは今をときめく常田大希(King Gnu、millennium parade)が提供した「マスカラ」と大きな話題を集めたが、他にも注目のクリエイターがこぞって彼らに楽曲提供している。それは音楽を心から愛し、音楽と真摯に向き合う6人に、楽曲をぶつけてみたいという、彼らがクリエイター魂をくすぐる存在であるからに他ならない。さらに、音楽を“届けよう”という強い思いを感じるからだ。当然、素晴らしい楽曲が集まってくる。
6人の個性が打ち出せるようにと「6つの音色(トーン)」というグループ名になったSixTONES。音楽への感度が高い6人が発表する作品は、その個性が幾重にも交差して、常に新しいもの、数えきれないほどのトーンを鮮やかに映し出している。彼らの音楽は進化していると前述したが、新作『共鳴』を聴いて、その音楽は早くも“深化”を感じさせてくれるほど、芳醇なものになった。
■リリース情報
SixTONES『共鳴』
3月2日(水)リリース
初回盤A(CD+DVD)¥1,760(税込)
初回盤B(CD+DVD)¥1,760(税込)
通常盤¥1,100(税込)