Da-iCE、『REVERSi』が告げる新章の幕開け 生半可は許さない“白黒つける”グループの意志

 “白黒”という共通のキーワードを使った楽曲の中で、佐藤千亜妃提供の「NIGHT OWL」では友達以上恋人未満の2人について〈まだこのまま白黒つけずにいようよ〉と意表をついてきたり、ボーカル兼パフォーマーの大野雄大が作詞し、本人のピースなキャラクターや生き様が描かれたような「ホンネはJoke」、アルバム『SIX』収録の「Love Song」と共にandropの内澤崇仁から提供されたというスムースなラブソング「Sweet Day」などでもメリハリをつける形で、リスナーを楽しませている。

Da-iCE / 「Clap and Clap」Lyric Video

 今作のもう1つの特徴として、バリエーションに富んだサウンドスタイルが挙げられる。「DOSE」と「Kartell」は共にファンクテイストだがBPMや醸し出す空気感はまったく異なる対照的な楽曲。「Clap and Clap」はハジけるような明るさにメジャーデビュー前後の面影を見るようなポップロック、「SWITCH」はBPM速めのダンサブルなナンバー。「Sweet Day」はメンバーも敬愛するブルーノ・マーズを思わせるアコースティック風味のサウンド、「NIGHT OWL」は浮遊感あるR&Bだったりと、幅のある楽曲構成となっている。その中でも激しいサウンドに三味線なども取り入れた和ロックなナンバー「Break out」、かつてないほどエモーショナルなバラード「Promise」が大きなうねりを生み出している。

 一見バラバラなように見える楽曲を、歌詞の言葉選びと共に1本の“線”にしているのが、花村と大野の4オクターブボイスだ。一聴すれば忘れられない個性を放つ花村のハイトーンはもちろん、「Sweet Day」のようなナチュラル感のある楽曲などでは大野が包容力を感じさせるアーシーボイスでリードし、2人の歌声と確かな歌唱力が両輪となる形で多彩な楽曲を支えている。

Da-iCE /「Kartell」 Music Video

 アルバムのラストを飾る「Kartell」は、〈くだらない暗黙の了解が 進化を遅らせているのは 明白でしょう〉〈蹴飛ばせ 忖度と不感症〉〈結果で捻じ伏せろ〉などストレートな言葉選びが目立ち、クールな視点で描かれた「DOSE」とは対照的と言えるが、単体ではなく他の曲とつなげて聴くことでより強く彼らの意志や覚悟を提示する、つまりパズルの“最後の1ピース”になりうる楽曲ではないだろうか。そしてスキルフルなダンスリーダー・和田颯を筆頭に各自のグルーブ感で魅せつつも、サビでハイキックを繰り出す強烈な振り(「DOSE」と同じくs**t kingzのshojiが振り付けを担当)や、バンドとダンスの掛け合いを想定したであろう間奏部分など、彼らが思い描いてきた新たなスタイルを具現化した楽曲だと想像できる。メジャー1stアルバムの1曲目「FIGHT BACK」で〈運命のダイスを今投げよう〉と歌った彼らが、「Kartell」で再び〈Roll the Da-iCE right now〉と歌っているのは、グループの新たな幕開けを示唆しているからかもしれない。

 10年の歳月をかけて地道に実績を積み上げ、『レコ大』受賞や驚異的なストリーミング再生数という、まさに結果で捻じ伏せてみせた5人。現在は5人それぞれが個人活動にも精力的に取り組んでおり、それがDa-iCEとしての“次の一手”にどう反映されていくのかにも期待したい。

Da-iCE『REVERSi』

■リリース情報
Da-iCE
CONCEPT EP『REVERSi』
2022年2月16日(水)発売
配信:https://Da-iCE.lnk.to/REVERSi_DLSTR
購入:https://Da-iCE.lnk.to/REVERSi_CD

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