また、特筆しておきたいのは歌。ダンスやアクロバットに注目が集まりがちだが、実はA.B.C-Zは歌もかなり安定している。メインボーカル的存在の橋本は言わずもがなで、甘く透き通った美しい声で歌われるバラードはもはやヒーリングミュージックの領域だ。戸塚と河合も自分の声をうまくコントロールしており、アクロバットをすることが多い五関と塚田もしっかり楽曲を歌いこなしている。そして何よりも、彼らは激しいダンスをしながらの生歌でも大きく歌声が乱れることはない。『ミュージックステーション』（テレビ朝日系）ではいつもアクロバットと激しいダンスをしながらも生歌を披露しており、その直球勝負なところも彼らの魅力の一つに挙げられる。歌番組で経験を積んだり、ミュージカルや音楽劇を含む様々な舞台で鍛錬してきた結果、これだけの安定感を誇れるのだ。

　ちなみに、パフォーマンス中の表情にも注目してもらいたい。バラエティ番組では体を張った芸人顔負けの企画に挑むこともあるが、ステージ上でその姿は封印されており、キラキラとしたアイドルの表情が見られる。5人とも楽しそうに笑顔でパフォーマンスをしたかと思いきや、笑顔を封印してクールなパフォーマンスを見せるなど、表情の振り幅の広さも必見だ。ぜひライブ映像などをチェックしてみてほしい。

　最近A.B.C-Zが気になった人はもちろん、他のグループを好きになり、パフォーマンスを見る楽しさが芽生えた方にもA.B.C-Zというグループをおすすめしたい。10周年という節目を迎える2022年、ぜひA.B.C-Zの沼にハマってみてはどうだろうか。