香取慎吾は“パーフェクトビジネスアイドル”で在り続ける 誕生日に振り返る、ファンと歩んできた道
ファンとの歩みこそが、香取慎吾の人生の羅針盤
もともと、多くの少年たちが夢見るように、歌って踊るアイドルを目指していた香取。だが、その夢は時代の大きな流れにより難しいものになっていった。音楽番組が終了していく代わりにバラエティ番組出演へと舵を切る。リアクションを求められ、コントに挑み、MCや俳優業にもトライしていった。今でこそ、当たり前のようにアイドルがジャンル問わず活躍する職業となったのも、SMAPがその原点だったと見る人は少なくない。
さらに、香取はライブ演出やアート、ファッションブランド『JANTJE_ONTEMBAAR(ヤンチェオンテンバール)』のディレクションなどを手掛け、才能を次々と開花させていった。そんな幅広い自身の活動について、かつて香取は「僕の仕事は……、ううむ、エンターテインメントですね」と答えていたのが印象的だった。(※3)
ステージを作り上げることも、絵や美術作品を創作することも、ファッションのアイデアを形にすることも、彼にとっては歌って踊ることと同じく「誰かに見てもらいたいもの」だそうだ。そして「いいね」と言われて「えー、そう?」と少しだけ嬉しくなるのだという。それに近い言葉を、最新のインタビューでも見受けることができた。
「“きゅん”っていうのを狙ってるわけではないんだけど……狙ってるのかもしれない(笑)。自分の好きな世界観ではあるんだけど、来てくれるお客さんやファンの人たちが好きになってくれそうなもの、それこそきゅんとしてくれそうなものを目指してはいるから、自分の好きなものよりもそっちの考えが大きいとしたら、もしかしたらそれは狙ってるってことになるのかもしれない。でも、もうそれがすべてだよね、僕の人生(笑)」(雑誌『JUNON』2022年2月号より)
表現は、すべて見てもらう人がいてこそ成り立つもの。もはや、自分の中で作品を見つめる目線と、受け止めてくれるであろうファンの目線とが限りなく重なっているということなのだろう。それは11歳からアイドルを続けてきたからこそ身についていったものなのか、はたまたそれを“天性のアイドル”と呼ぶのか。
1月27日、香取はTwitterでファンに失敗エピソードを募集した。「YouTubeの動画で紹介させてもらいますよ!ね! 絶賛ナウ撮影ちう」と続けたことから、この交流がまたYouTubeの動画コンテンツになっていくのだろうと予想される。ファンと共に生きる。ファンの喜ぶものを作り続ける。それが、香取慎吾が歩む地図を広げていくのだから、やはり彼を完璧なプロアイドルと言わざるを得ない。ぜひとも、香取にはこのまま生涯“パーフェクトビジネスアイドル”を突き進んでほしい。誰も真似できないくらい“アイドル”を生き抜いた伝説となるほどに。
※1:https://www.wwdjapan.com/articles/831304
※2:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOKC17B3D0X11C21A2000000/
※3:https://www.gqjapan.jp/culture/celebrity/20171220/moty2017-shingo-katori