加藤ミリヤ、ステージで表現した様々な愛の在り方 シンガーの核を力強く感じさせた『WHO LOVES ME』リリパファイナル

「人の価値観はそれぞれじゃん。だから世の中には私の声が好きな人もいれば、嫌いな人もたぶんいると思う。でもそれは別に感じ方だから自由なんだよね。そんな中、みんなが私のことを好きになってくれて、私が書く歌に“わかる!”と言ってくれる。私はそれだけで音楽をずっとやらせてもらえているので、すごく幸せだなと思っています」

 アルバム『WHO LOVES ME』の一つのテーマとも言える“価値観”の話をMCでした後、“美しさの価値観”をミリヤなりに追及した1曲「綺麗」を披露。赤色に染まったステージの上にシルエットとして浮かび上がるミリヤが、低音と高音を使い分けながら美しく歌い上げていく。曲のラストでライトアップされたミリヤの姿は、この曲に込められたメッセージをしっかり伝えてくれていたように思う。その流れで「神様」「True」というバラードを連続で届けてくれたこのパートは、ミリヤのシンガーとしての魅力を存分に感じさせてくれるものだった。

「今年も愛の素晴らしさとか、たまに愛の醜さとかをちゃんと形として伝えていきたいです。それが私のやりたいことであり、やるべきことだなって思います。なので期待していてください、頑張ります!」

 ラストは「Lonely Hearts」。離れていても心と心が繋がっている、そんなメッセージを込めた歌で本編は幕を閉じた。

 「JOYRIDE」で始まったアンコール。英詞をたっぷりと盛り込んだスケール感のある楽曲で、会場は再び熱を帯びていく。そこに追い打ちをかけるようにステージにはスペシャルゲストのSWAYが登場し、「CRUSH ON YOU」「RUN 100」の2曲が熱量高く歌われた。お互いに向き合って語り合うように歌ってみたり、時には肩を組んで歌ってみたり。そんな息の合ったパフォーマンスに会場は大きな興奮に包まれた。その後、“自分なりの色でいいんだよ”というメッセージに力をもらえる「COLORS」と、大切な人への思いを綴った「With U」を歌い、おなじみの「愛し愛されて生きてください!」の一言でライブは大団円を迎えた。

 歌とダンス、そしてリアルな思いを吐露するトークによって、加藤ミリヤというアーティストをより近くに感じられた約2時間のライブ。そこで歌われた楽曲たちからは、愛が持つ多様性を強く感じることができた。愛に正解などない。それぞれにそれぞれの愛の形がある。だからこそミリヤはデビュー以来、ずっと愛を歌い続けてきているのだろうし、これからも愛を追い求めていくのだろう。愛とは?ーーそんな問いに向き合う時間をくれるミリヤのライブ。それは僕らにとっても本当に尊いものだ。

加藤ミリヤ オフィシャルサイト

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