天月-あまつき-、ファンと2年ぶりの再会で伝えた感謝の気持ち 最新ツアー東京公演を振り返る
みんなにとっての道しるべになりたい
中盤の見所は、12月という季節を感じさせる歌を届けたコーナーだ。毎年冬に新曲を作るそうで、この日も新曲「スノーパラダイス」を披露。爽やかに開けるサビが印象的なポップナンバーで、天月の足下にはスモークがたちこめ、まるで白銀の上で歌っているようなロマンチックな情景が目の前に広がった。また「天月Winter Song Medley」では、2019年にリリースした『Christmas Special Box』に収録の「クリスマス・ストーリー」や「サンタが町にやってくる」、昨年リリースした「ウインター・ワンダーランド」など6曲をメドレーで披露。天月がエレキギターを弾きながら歌う場面もあり、ファンには少し早いクリスマスプレゼントになった。
終盤からアンコールにかけては、天月のメッセージが込められた楽曲が多数披露された。「きみだけは。」は〈理由のない運命に巻き込まれ〉という歌詞が、今という時代から早く抜け出したいという気持ちとどこか重なる。ラストを飾った「君が僕の心に魔法をかけた」は、天月が作詞作曲をつとめた楽曲で、〈これは僕からの恩返し〉という歌詞の通り天月からファンに向けた思いが詰め込まれている。パッと開けるようなサビが印象的で、耳なじみのいいサウンドに観客も自然と体が揺れた。
アンコールのMCでは、「動画投稿を始めて気がつけば12周年。僕が笑顔で歌い続けていくことが、みんなにとっての道しるべになったらいいなと思っている。それが、みんなに見つけてもらった僕の義務。みんなが僕にありがとうと言ってくれるように、僕からも何度でもありがとうと伝えたい。本当にありがとう!」と気持ちを語った天月。最後には、コーラスに多くの仲間が参加したアンセムソング「Hello,My story」を披露。「今日という日に君がいて僕がいる。それだけでとっても素敵なことだと思う」と語り、観客と一緒にタオルを回して会場全体が一つになった。
幕間のムービーでも、「星は一人では作れない。支えてくれる友達や叱ってくれる人など、すべての人に感謝の気持ちを持って、それを思った時に口に出して伝えることが重要だ」という語るシーンがあった通り、端々で12年間みんなに支えてもらったことへの感謝が感じられたライブ。声を出すことを我慢しながら、それを全身で受け止めたファン。天月、ファン、スタッフ、全員による“チーム天月”が絆を確かめ、より強固にした一夜だった。