天月-あまつき-、ファンと2年ぶりの再会で伝えた感謝の気持ち 最新ツアー東京公演を振り返る
少年っぽさのある力強いハイトーンのボーカルで海外でも人気の歌い手 天月-あまつき-(以下、天月)が、全国6都市を巡る冬ツアー『天月-あまつき-Winter Tour2021-2022 「Star trail〜夢で見た景色〜」』東京公演を、昨年12月5日に国際フォーラムホールAで開催した。昨年配信リリースしたオリジナル曲や久しぶりに披露する曲、人気ボカロ曲のカバー、新曲のウィンターソング、クリスマスメドレーなど、幅広い全19曲を披露。一般向けのライブとしては約2年ぶりの再会を喜び合いながら、感謝と意思を伝えるステージになった。
「やっと会えたね、東京!」2年ぶり有観客に歓喜
会場を列車に見立て、まずは天月による車内放送が流れた。「最後まで思い切り楽しむこと。今日だけは日頃の嫌なことを忘れて笑って過ごすこと。これだけは絶対お守りください」と、注意事項が告げられる。列車の汽笛が鳴り響くと同時に、右手を高々と上げた天月がピンスポットに照らされ登場する。「アストロスト」の冒頭のフレーズ〈太陽を越え 宇宙のむこうへ〉と力強い歌声が会場に響き渡ると、その力強さと格好良さに歓声を上げる代わりに、客席が赤いペンライトの光で埋め尽くされた。アッパーなバンドサウンドに乗せて熱い歌声を聴かせながら、間奏では「やっと会えたね、東京!」と叫んで、約2年ぶりの有観客ライブに嬉しさを爆発させた。
続けて、天月自身も作詞に参加した、キラキラとしてロマンチックなポップナンバー「流れ星」では、目の前のファンから力を得るかのように〈今なら星すら掴めるんだ〉と力強く歌った。さらにYouTubeで動画再生回数が1100万回以上を記録したレフティーモンスターPのカバー「ホシアイ」を披露すると、手拍子が広がり会場が一つになった。
冒頭から星つながりの3曲でファンを魅了した天月。幕間のムービーでは、少女と星を巡る旅に出るストーリーが展開されて、随所でストーリーに沿った楽曲が歌われた。ライブ後半には、歌詞に夏の大三角が出てくるsupercell「君の知らない物語」や、宇宙や星のワードが出てくるMONGOL800「小さな恋のうた」など、星にまつわるカバーも披露され、そうした選曲からも天月のこだわりが感じられた。
MCでは「奥の奥まで左も右も、初めての君も久しぶりの君も、余すことなく全員が楽しかったと言える日にしたいと思っている」と意気込みを語った天月。準備万端、無双状態でこの日を誰よりも楽しみにしていたそう。楽しい時間は、過ぎるのがあっという間で「昨日が名古屋で、目が覚めたら東京のこのステージに立っていてびっくりした」と話すと、バンドメンバーからは「そうだとしたら、それは寝過ぎだ(笑)」とツッコまれる場面もあり、実に和やかで笑顔が溢れる雰囲気だ。
見応えがあったのはアコースティックコーナーで、天月の表現力の高さで観客を惹きつけた。胸を締め付けるような切なさとエモーション溢れるボーカルを聴かせた「赤い糸」。おしゃれでスタイリッシュなサウンドの「Caffe Latte」は、優しくクールな歌声を聴かせた。またbuzzGのカバー「Fairytale,」はスタンドマイクで熱いボーカルを聴かせ、最後に〈約束ね〉と歌って小指を差し出した。