Sexy Zoneメンバー分析 第5回:マリウス葉、夢に向かって成長し続ける末っ子 グループを包み込む美しい感性

 昨年、デビュー10周年を迎えたSexy Zone。グループとしてはもちろん、近年は個々の活躍にも注目が集まる。彼らの経歴を振り返りながら、改めてその魅力を紹介したい。第5回はマリウス葉。

Sexy Zone

 今、エンタメ界を牽引する2000年生まれのミレニアムベイビーたち。マリウス葉もその一人であり、ファーストペンギンともいえる。

 生まれはドイツ・ハイデルベルク。幼少期は「お母さんのような美しい人になりたい」と、かつて母が活躍した宝塚歌劇団に憧れていたという。2010年、そんな母のルーツである日本にてSMAPのコンサートを観たことが、当時10歳だったマリウスの心を動かした。

 ドイツから履歴書を送ったマリウス。ジャニー喜多川氏からかかってきた電話にて想いを伝え、2011年1月、ジャニーズ事務所に入所した。ドイツに在住しながら、仕事の際には日本に来るという生活を続ける日々のなか、同年3月に東日本大震災が発生。まだ幼いマリウスは、日本行きの飛行機に乗ることを止められたというが、それでも「人を幸せにしたい」という揺らがぬ想いを抱き、日本にやってきた。そして同年、Sexy Zoneの最年少メンバーに選出され、ジャニーズ史上最年少デビューを果たす。

 ルックスも言動も、まさに天使そのものであった当時のマリウス(ちなみに、自ら選んだSexy Zoneファンクラブの会員番号も「104」(てんし)である)。両親のルーツやドイツで過ごした幼少期など、さまざまな環境によって育まれたマリウスの感性は、我々の目に斬新に映った。実際、デビュー当時にはバラエティ番組への単独出演も多く、早くからレギュラー出演も果たすなど、まさに引っ張りだこの活躍を見せた。

 まだ幼い少年が、ロケに出て人々と交流し、新しい文化を知っていく。例えばちょっとした言い間違いも「バラエティ」としておもしろく、かわいらしいVTRになるのだがーーマリウスはただ懸命に頑張っていたのだと思うと、そうした取り上げ方が正解だったのかは分からない。しかし多くの人を笑顔にし、Sexy Zoneイコール「マリウスがいるグループ」だと認識していた人が少なくないことは事実である。

 日本における上下関係や謙遜といった文化の違いが誤解を生まないよう、マリウス自身も柔軟に対応していたし、メンバーはそっと気にかけていたように思う。だが、マリウスを通して知るユニバーサルかつグローバルな視点は、我々に気づきを与えてくれた。違うことは違う、良くないことは良くない、素晴らしいものは素晴らしいと率直に主張できるマリウスの資質は、Sexy Zoneやそのファンに影響を与え続けている。

関連記事