ビリー・ジョエル、絶対に押さえておくべき5曲 恋愛など人間味溢れるエピソードと共に紹介

「ロックンロールが最高さ」(1980年:アルバム『グラス・ハウス』より)

 洗練された大人のポップミュージックというイメージが強いビリーの楽曲だが、ソロになる以前にはロックバンドに所属し、そもそもThe Beatlesやエルヴィス・プレスリー、The Everly Brothersなどに憧れるロック少年だった。いつかロックスターになってやるという夢は、通算7昨目のアルバム『グラス・ハウス』でついに成就する。しかもビッグな形で。シングル「ロックンロールが最高さ」は初の全米ナンバーワンを彼にもたらし、アルバムはグラミー賞の最優秀男性ロック・ボーカル・パフォーマンス賞を受賞。プロデュースを担当したフィル・ラモーンと組んで3作目のアルバムだったこともあり、そろそろ2人で冒険に乗り出すタイミングだったのだろう。初心に帰った大勝利だった。

Billy Joel - It's Still Rock and Roll to Me (Official Video)

「アップタウン・ガール」(1983年:アルバム『イノセント・マン』より)

 2番目の結婚相手となるスーパーモデルのクリスティ・ブリンクリーがビデオに出演し、2人で仲良くステップを踏むなど、ワクワク感が半端ない「アップタウン・ガール」。恋に舞い上がりがちなのは、性格だろうか。上流階級のお嬢様と、彼女に憧れる労働者階級の男子という設定は、いかにもクラシックな筋書きだが、ビリー自身がそう感じていたからに違いない。TVドラマ『glee/グリー』シーズン5で放送されたビリーのトリビュート回では、ルックスにコンプレックスを持つ者が途中挫折などを経験し、それらをバネに成功したという文脈で描かれていたが、確かに完璧ではないからこそ愛されているのは事実。ビリーの音楽は、常に労働者や庶民側に立って歌われているからこそ、こんなに広く共感を得られているのだろう。

Billy Joel - Uptown Girl (Official Video)

 以上5曲からも彼の人柄や人間らしさが伝わってくるが、他にもまだまだビリーらしさが感じられるヒット曲や代表曲は多数存在する。「ストレンジャー」「マイ・ライフ」「あの娘にアタック」「ロンゲスト・タイム」「ハートにファイア」……など(今回リリースされたベストアルバムには、それぞれの日本版シングルのオリジナルのジャケット写真が付いているのも嬉しい)。ビリー自身は「ヒットさせるために曲を作ったことはない」と言い切るが、個人的には才能と恋愛とだらしない部分の黄金比がヒットに繋がっている気がする。

『ビリー・ジョエル|ジャパニーズ・シングル・コレクション -グレイテスト・ヒッツ-』

■リリース情報
『ビリー・ジョエル|ジャパニーズ・シングル・コレクション -グレイテスト・ヒッツ-』
2021年12月22日(水)発売

3枚組<2CD+DVD>
SICP31510~31512  歌詞・対訳・解説付
特別価格¥4,400(税込)

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