東京事変、GENERATIONS、松下洸平、UVERworld、豆柴の大群……12月22日リリースの新譜5作をレビュー

 毎週のリリース作の中から注目作品をレビューしていく連載「本日、フラゲ日!」。今回は12月22日リリースの東京事変『総合』、GENERATIONS from EXILE TRIBE『GENERATIONS FROM EXILE』、松下洸平『あなた』、UVERworld『30』、豆柴の大群『昨日は戻らない/恋のフルスイング』の5作品をピックアップした。(編集部)

東京事変『総合』

 デビュー曲「群青日和」、オリコン週間シングルチャート1位を記録した「能動的三分間」、8年間の解散時期を経て“再生”を果たした際に発表された「選ばれざる国民」など、2004年〜2021年の全キャリアを網羅したオールタイムベスト。卓越した演奏テクニックと独創的なアイデアに裏打ちされた、アバンギャルドとポップを肉体的に共存させた楽曲群からは、日本のロックバンドとしての矜持が伝わってくる。強靭なファンクネスを内包したサウンドとともに、世代間の断絶、諦念、悟りを描き出す「仏だけ徒歩」(Disc-2収録)、曲名通り基督教的な世界観のなかで生の本質を射抜く賛美歌のようなバラードナンバー「原罪と福音」(Disc-1収録)という2つの新曲のおける、貪欲かつ刺激的な進化ぶりにも瞠目せよ。(森)

東京事変 - 仏だけ徒歩

GENERATIONS from EXILE TRIBE『GENERATIONS FROM EXILE』

GENERATIONS from EXILE TRIBE
GENERATIONS from EXILE TRIBE『GENERATIONS FROM EXILE』

 EXILEのデビュー20周年を記念し、Jr.EXILE4組が楽曲をカバーしたトリビュートシングルを4週連続でリリースする『EXILE TRIBUTE』。トリを飾るGENERATIONS from EXILEは、「SUPER SHINE」(2008年)をリード曲に「Together」(2003年) 、「時の描⽚〜トキノカケラ〜」(2007年)、「Angel」(2009年)の4曲をカバー。「SUPER SHINE」では冒頭からラップを取り入れるなど大胆な構成で魅せつつ、「Together」ではストリングスを活かし華やかさをプラス。「Angel」ではしっとりと聴かせるモードで王道のカバーを披露し、「時の描⽚〜トキノカケラ〜」は原曲のテイストを残しつつもトレンドを意識したアレンジで盛り上げる。いずれもオリジナル曲へのリスペクトを忘れず、自分たちらしくアップデートしようとする意欲が伝わる出来栄え。アニバーサリーイヤーにふさわしい贈り物となった。(渡部)

GENERATIONS from EXILE TRIBE / SUPER SHINE (Music Video)

松下洸平『あなた』

 『最愛』(TBS系)をはじめ、ドラマ、映画、舞台で圧倒的な存在感を放つ松下洸平から、ミニアルバム『あなた』が到着。タイトルトラック「あなた」は、デビュー曲「つよがり」に続き、松尾潔のプロデュースによる楽曲。端正なピアノのフレーズと〈もうこれ以上 待ってられない〉という言葉からはじまり、〈あなたが好きで 好きで 好きで〉というサビのラインに至る、愛情とともにある人生を照らし出すバラードナンバーだ。理性と本能、フェイクとリアルなどを対比し、自分らしく生きることの大切さを描き出す「FLY&FLOW」、音楽を続けること、歌い続けることへの思いをリアルに刻んだ「旅路」の作詞作曲は、松下自身によるもの。全曲を通し、質の高いR&Bテイストと、聴き手を選ばないポップスとしての魅力が共存している。(森)

松下洸平 - あなた (Behind The Scene)

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