櫻坂46「BAN」「流れ弾」におけるパフォーマンスの注目点 年末特番に向けておさらい

メンバーたちの表現力そのものに注目したい「流れ弾」

櫻坂46『流れ弾』

 対して「流れ弾」は、彼女たちが見せる感情剥き出しのパフォーマンスに注目したい。そもそもこの曲の振付は、センターの田村保乃が自分以外のメンバーたちを取り込んでいくというストーリーを辿っている。

「保乃ちゃんVS他のメンバーのようなダンスが繰り広げられますが、これは保乃ちゃんが悪魔役で、他のメンバーを取り込もうとするストーリーに沿ったものなんです。(中略)黒い衣装の前半は必死に抵抗するシーンが描かれていて、後半の赤い衣装の場面では取り込まれてしまった全員で激しく踊ります」(『日経エンタテインメント!2021年11月号』より)

「はじめは孤立している主人公が、どんどん感情を剥き出しにしていって周りを取り込んでいくというストーリーをダンスで表現しています」(『うたコン』での田村のコメントより)

 このように「田村 対 その他」という構図で展開していく本曲。序盤は田村が引き摺られたり、持ち上げられたりしながら他のメンバーたちに抵抗されるようなダンスを見せる。しかし、状況が一変するのが中盤で登場する決め台詞〈Wait a sec.〉からだ。

 この小休止を経て全員の表情が覚醒。斬新なダンスを生命力あふれる生き生きとした表情で踊る姿は圧巻である。まさに“悪魔”感のある田村の表情に加え、要所で良いフックとなる山﨑天の鋭い表情も見逃せない。裸足でパフォーマンスしているが、それによって野性的な魅力も感じ取れる。美しいドレスに身を包んでいるのも相まって、その清楚な印象と、感情剥き出しの表現とのギャップに心を奪われる一曲だ。

 「流れ弾」は、そうした彼女たちの表現力そのものに注目するとより惹かれる一曲となるだろう。

 11月2日には『うたコン』(NHK総合)に出演し生演奏とのコラボで臨場感あふれるパフォーマンスを展開した櫻坂46。その後、11日には『ベストヒット歌謡祭2021』、17日には『ベストアーティスト2021』(ともに日本テレビ系)と、各局の音楽番組で常に存在感を残している。改名して約1年が経った今も彼女たちの成長は止まらない。

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