櫻坂46「BAN」「流れ弾」におけるパフォーマンスの注目点 年末特番に向けておさらい
先日、ヨーロッパ最大級の音楽アワード『2021 MTV EMA』にてベスト・ローカル・アクト賞の日本部門「BEST JAPAN ACT」を受賞した櫻坂46。ここ最近は各局の音楽番組での楽曲披露が続いているが、大きな賞に選出されたことで、心なしかダンスする表情にも風格が増してきている印象がある。大晦日の『NHK紅白歌合戦』(NHK総合)の出場も決まり、これからの年末の音楽特番でのパフォーマンスにさらに注目が集まるだろう。そこで今回は、櫻坂46が今後の音楽番組に出演した際の注目すべきポイントについてまとめたい。
振りの持つ意味やダイナミックなダンスに注目したい「BAN」
今年の櫻坂46はここまで最新シングルの表題曲「流れ弾」だけでなく、4月に発売した2ndシングル曲「BAN」も披露している。
まず「BAN」では、非常によく練られた振り付けに注目だ。たとえば、ステージ中央に目を瞑りながら集まるメンバーたちが、枝を生やすようにして四方八方に腕を伸ばす冒頭の場面。伸ばしたそれぞれの手の形は、桜の花びらを表現したという“櫻坂ポーズ”である。そこから感じ取れるのは“開花”や“芽吹き”といったキーワード。改名して3枚のシングルをリリースし、真っさらだったグループも徐々に色付き出している。新加入のメンバーたちも続々と個性を見せ始めた。「BAN」はまさにそんな今年の櫻坂46を表すかのような振りからスタートする。
この曲ではセンターの森田ひかるの表情が目を引く。歌詞に合わせてスマホをスワイプしたり、カメラ側に向かって指さす振りなどで、相手を挑発するような攻撃的な表情を見せる序盤から、サビ途中で両腕を上げながら凛とした表情を見せ、〈どんな状況に追い込まれても〉での“やられてる感”のある演技を経て、そこから〈僕は絶対BANされるものか〉で持ち直す一連の流れまで、ある種のストーリーを辿っていく表情の変化が見事だ。
そして一番の見どころは、1サビ直後のメンバー全員でのユニゾンダンスである。それまで横に広がっていたフォーメーションがここで中央に集まり、全員で一斉に複雑なステップやキックを織り交ぜた激しいダンスを見せる。とりわけ前に蹴る振付での藤吉夏鈴の躍動感は見ものだ。この箇所はリズムの取り方も複雑で、回転したりスカートを持ったりと振りのバリエーションも豊か。そのため視覚的にも高揚感がある。
このように「BAN」では、振りの持つ意味やメンバーたちが綺麗に合わせるダイナミックなダンスに注目するとより楽しめるだろう。