22/7(ナナニジ)、グループの歴史をたどったアニバーサリーライブ 現体制ラスト公演を観て
ライブ最終ブロックは、11月24日にリリースされる8thシングル『覚醒』の全楽曲披露で、第二章へと向かうグループの現在そして未来を示していく。これまでのシングル表題曲になかった前向きな姿勢の「覚醒」は、振付の力強さがともなうことで新たな物語の始まりを予感させる。一転して、新紅白ユニットの紅組楽曲「今年 初めての雪」は22/7にとっては新鮮な、曲調にも振付にも王道を感じさせるウィンターソング。そして白組楽曲「ヘッドフォンを外せ!」では、ユニット双方のギャップの妙を表すようにハードな攻撃性を描いてみせ、その勢いのままに全員楽曲「Just here and now」まで駆け抜ける。
そして今公演の最終曲披露を前に、まもなく卒業を迎える海乃、倉岡、武田が口にしたメッセージは、三者の個々人の思いのみならず、22/7というグループ全体を映し出すものだった。
倉岡や海乃はときに笑いやためらいも交えながら未来への思いを言葉にし、同時に彼女たちがともに歩んできたキャラクターへの強い愛着をにじませた。担当キャラクターとの二人三脚はこのグループのメンバーだからこそ表現しうる、彼女たち特有のアイドルの在り方である。武田もまた、自らの担当するキャラクター・柊つぼみが神木みかみ、東条悠希とともに歌う「神様に指を差された僕たち」を昼公演で披露したシーンにふれ、そこにたくさんの紫のペンライトが光っていたこと、また事前に“メンバーと悠希ちゃんと過ごした時間は嘘じゃないから”というメッセージを預かっていたことを打ち明け、ここまで全員で歩いてきた道程を確かめるように言葉を紡いだ。海乃が“今まで出会ってくれた総勢11人”のメンバーへの感謝を口にしたように、この最終MCは3人の卒業をフィーチャーするにとどまらず、22/7というグループすべての過去と現在、未来を包み込む時間だった。
最終曲となった「いつの間にSunrise」は卒業メンバーたちを送り出す花道となる、8thシングルのなかでも特有の意味を含んだ作品である。ここで表現されるあたたかな日の出はまた、グループ第二章へ向かうそれぞれの背中を押している。そんな優しさをたたえた楽曲に見送られ、現体制ラストライブは幕を閉じた。