コラボ企画『組曲』特集インタビュー

花譜が大森靖子コラボ曲に重ねた“自分自身”の姿 両者に聞く、「イマジナリーフレンド」制作秘話

大森靖子が思う“花譜の歌声”

大森靖子

ーー大森靖子さんが花譜さんを知った時期や、きっかけ、第一印象はどういうものでしたか?

大森靖子(以下、大森):プロデュースしているユニットZOCの藍染カレンと同じ映画(『ホットギミック ガールミーツボーイ』)で歌っていた認識があります。柔らかいのに耳障りのあるいい歌声だなぁと思いました。

ーー花譜さんは2019年に「死神」「ミッドナイト清純異性交遊」、2021年に「ノスタルジックJ-pop 」と大森さんの楽曲をYouTubeにてカバーしていますが、聴いた感想を教えてください。

大森:ライブで誰かに伝える自分の表現とは全く別角度の、別の文脈の表現が拡がったいることは知っていて、ワンルームで成り立つ制作の、レコーディングのマイクに吹き込むタイプの表現も、新しいカルチャーとして生まれたのちに、続けていく人が増えていて、ここまで深いものが出来るんだなぁと思いました。

ーー花譜さんのオリジナル曲を聴く中でどのような印象を持ちましたか?

大森:音楽が友達なんだなぁと思いました。

ーー花譜さんは特徴的な歌声を持っていると思いますが、大森さんから見て、彼女の歌声の魅力や特性をどのように捉えていますか?

大森:花譜さんがお持ちのマイクと花譜さんの声との触れ方の相性と関係性を楽しんでいるし、知り尽くしていると思います。こういくとザラつく、こういくとすきとおる、というのを知り尽くしているから、その中でどういけば気持ち良いかを熟知して扱うのがお上手です。

 ただフラットに歌うだけで心地悪さまで心地よいので、優れたBGMです。きっと生声だとさらに、こんな声が出るんだ?! というまだ新しい感情や声がたくさんありそうなので、ワクワクします。

ーー大森さんは、響木アオさんや洛天依さんといったバーチャルアーティストの作曲や作詞を手がけています。花譜さんも含め、“バーチャルアーティスト”という存在に対してどんな印象を持っていますか?

大森:その先の、どのような人生で、どういうカルチャーに触れたからバーチャルアーティストというたち振る舞い方を選んでこの活動をしているかにかなり興味があり、そこをなでたりえぐったりするような制作を心がけています。

 実際にお会いできる場合は、めちゃくちゃ話を聞きます。響木アオちゃんは本当に面白い子ですね。洛天依さんは流石にお話しすることができなかったので、いただいた楽曲にあわせた歌詞にしました。

たのしんで音楽を続けてください! その先でまた会いましょう。

ーー今回楽曲提供するに当たって、どんなイメージを持って楽曲を制作していきましたか? 

大森:その人の存在意義、どんな人に必要とされているか、ステージに立つ意味を分解するところからいつも歌を作ることを始めるので、分析分解再定義再構築みたいなことは考えていて、「イマジナリーフレンド」はきっと花譜さんが音楽のことをそんなふうに思っているように、花譜さんの音楽のことを誰かもそう思っていると思うなと。

ーータイトルにもある“イマジナリーフレンド”というキーワードは、どこから浮かんできたのでしょうか?

大森:友人が夫と対話するために頭に住まわせていたイマジナリーフレンドがついにいなくなってしまいました。きっと色んなことを諦めちゃったんだと思います。お葬式をしてあげたくて、いつか曲を作ってあげたいなと思っていてあたためていたものを、あ、ピッタリだなーと思ってあてました。

ーー花譜さんは現在17歳ですが、曲を作る上で年齢は意識されましたか? 

大森:だいたい人間ずっと17才ぐらいで生きてるかなって思います、うまくなるだけであんまり変わんないですね。なのでそんなに意識してないです、17才はそんなに子供じゃないし、大成してますよね。世の中のことは知らないし、なめてるなーと思うこともたくさんあるけど、社会性じゃない感性や基本的な部分はもうそこから変わらないです。

ーーどういう思いを持って歌詞を書きあげましたか?

大森:イマジナリーフレンドのお葬式をしてあげようという気持ちです。ひとつひとつの感情の変化、自分では気づかないところを歌うと、なんだか生きてていいんだみたいな気持ちになると思うので。

ーーサウンド面については、どのようなイメージで制作を進めていきましたか?

大森:花譜さんの声と繊細さを邪魔せずに拡張させるよう大久保薫さんにアレンジしていただきました。

ーー花譜さんの歌声が入った完成音源を聴いた感想を教えてください。

大森:かなり仮歌の細かいところニュアンスまで拾って歌ってくださっていてびっくりしまた。

ーーお二人のデュエットも聴いてみたいと思いましたが、今後再び花譜さんに楽曲提供をする機会があれば、次はどんな曲を書いてみたいですか?

大森:どーぷならっぷ!

ーー大森靖子さんにとって、他のアーティストに楽曲を提供するという行為は、どんな意味を持ちますか?

大森:愛さないと描けないので、自分にとって愛するっていう行為は理解する、わかる、本人よりもわかる、本人が一番嫌いな自分を一番かわいくみせる、一番ダメなところをかわいく魅せる、という意味です。

ーー最後に、花譜さんに伝えたいこと、メッセージをお願いいたします。

大森:たのしんで音楽を続けてください!

 その先でまた会いましょう。

花譜から大森靖子への質問

ーー大森さんにとって「うさぎ」はどんなイメージなのですか? 提供していただいた「イマジナリーフレンド」や、他の曲の中でもうさぎを見つけたので…。

大森:うさぎってめっちゃ臭いのにかわいがられてるので、醜い所を愛せよ!の気持ちをかくときによく使います。

ーーどこで歌うのが一番好きですか?

大森:PAの人と私が完全にハモっている時の会場!

 ライブハウスも好きだけど、もう少し生活に地続きな場所で歌うのが好きです。

ーー歌いたくないよ!!!!ってなった事は今までありますか? あったら、どれくらい続きましたか?

大森:ないです!

ーー大森さんは自分の中に、大森靖子像というか、自分でいる時の自分と、超歌手大森靖子の自分、みたいに間や違いを感じることはありますか?

大森:私の描く私に私を嵌め込んで成長する行為がロックだと思っているので、そこは地続きでいるつもりであまり矛盾を感じて辛いことはないです。でも、誰かに受け取ってもらえた大森靖子像が、その方の中で育っていったものが、どうしても私と違ってしまう時はあるのかなと思います。

ーー大森さんの最古の記憶は、どんな場面ですか?

大森:北海道の家族旅行で母親が雪うさぎを作っていた思い出です!

■リリース情報
コラボ企画『組曲』

第一弾
花譜×GLIM SPANKY「鏡よ鏡」

第二弾
花譜×大森靖子「イマジナリーフレンド」

花譜 Remix Album『魔法 γ』
2021年12月22日(水)発売
¥5,000(税込)
<収録曲>
M1:危ノーマル(廉 Remix)
M2:アンサー(楽園市街 Remix)
M3:私論理(いよわ Remix)
M4:戸惑いテレパシー(あめのむらくも P Remix)
M5:彷徨い(吐息 Remix)
M6:畢生よ(柊マグネタイト Remix)
M7:花女(wotaku Remix)
M8:メルの黄昏(雄之助 Remix)
M9:痛みを(Peg Remix)
M10:モンタージュ(鬱 P Remix)
M11:景色(香椎モイミ Remix)
M12:帰り路(100 回嘔吐 Remix)
M13:まほう feat.理芽(MIMI Remix)
<商品内容>
・CD アルバム「魔法 γ」(全 13 曲入り)
・パスケース
・アクリルキーホルダー
・ポストカード
・缶バッジ γ セット (3 個)
・アルバム『魔法 γ』への寄稿文 (リミックス参加アーティストの皆様より)
予約はこちら:https://findmestore.thinkr.jp/

■花譜 3 周年記念特設サイト
https://kaf3rdanniversary.kamitsubaki.jp/

■花譜関連 URL
-HP https://kamitsubaki.jp/artist/kaf/
-BOOTH https://kamitsubaki.booth.pm/item_lists/L8aYTE28
-YouTube チャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCQ1U65-CQdIoZ2_NA4Z4F7A
-SNS
【Twitter】https://twitter.com/virtual_kaf
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■大森靖子 関連リンク
オフィシャルサイト  http://oomoriseiko.info/
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