Kroi、独自のファンクネスとユーモアはいかにして生まれている? 多くの人を惹きつける5人のパーソナリティに迫る

Kroiの5人のパーソナリティに迫る

メンバーのキャラクターが身近なものにするKroiの存在

益田英知
益田英知

――では、次はドラムの益田さんについて教えてください。

関:こう見えて、益田が実はKroiの中で一番冷静なんじゃないかという気がします(笑)。レコーディングやデザインを考える現場で、最終的に二択になることもあるんですけど、益田は、しっかりと向き合った意見を、自分の言葉でみんなに言ってくれるんです。益田の意見を聞くと、「ああ、そういう見方もあるのか」って発見することが僕は多くて。冷静な人間だと思いますね……こんな格好してますけど(笑)。

益田:すいません。

千葉:ドラムのことになると真面目になるんだよね。

益田:ごめん。

関:益田は元々ギターを弾いていたこともあって、感覚がマルチなんですよ。ドラマーから出発していないがゆえに、ドラムのことだけを考えるドラマーではない。サオとの絡みの目線でも見れるし、しかも、この数カ月間では特に急成長している感じもあって。それは次の作品にいい感じで反映されていると思いますね。

内田:あと、益田さんのドラムって独特で、ちゃんと益田さんが叩くことに意味のあるビートが生まれているなと思います。フレージングやリズムのパターン、刻み方にも益田さん独自のグルーヴがあるなと思う。それは、こっちとしても嬉しいことだよね。

長谷部:気持ちを音に乗せることをすごく考えている人なんだと思う。レコーディング中でも、マインド的な面でのアドバイスをくれるんですよ。自分のプレイにも人のプレイにも敏感な人なんだなって思う。

――「音に気持ちを乗せる」というポイントは、益田さんご自身としてはどうですか?

益田:やっぱり、演奏するうえで曲全体のテーマやセクションごとの歌詞との絡みを意識することは大事だなって思います。それが、演奏の強弱にも関わってくるし。

千葉:いいこと言ってるんだけど、服が邪魔してるんだよなあ……。

関:(笑)。まあ、僕は8年くらいの付き合いになりますけど、ずっとこんな感じだし、真面目な面もあるけど、この5人の中ではぶっ飛んでおちゃらけている人間であることは確かで。それはお客さんにも伝わっていると思いますね。

千葉:そうね。益田さんや悠生のような人がいるおかげで、ファンの人が普通のバンドよりも親近感を抱きやすいというか、Kroiを身近に感じてくれていると思うんですよね。

内田:あと、益田さんは「写ルンです」のことを一昨日くらいまでずっと「シャルンです」だと思ってたんですよ。

益田:おいっ、その話今関係ねえだろ!

一同:(爆笑)

――益田さんは、おちゃらけることに対して、何故そこまで熱心なんですか。

益田:……人を笑わせると、興奮するんです。

内田:そのためのフリじゃねえわ!(笑)

――(笑)。

益田:まあ、笑うといい雰囲気になるじゃないですか。何事もゲラゲラ笑いながらやっていたほうがいいじゃないですか。

関:ホントにそう。益田で笑わなかった日はないもん。毎日一緒にいても全然飽きない。

千葉:この二人(益田、長谷部)がいなかったら、もうちょっと真面目にやってたと思うんですけど。おかげで、バンド活動が楽しいです(笑)。

千葉が意識する「本心を伝え過ぎない」ということ

千葉大樹
千葉大樹

――では、続いてはキーボードの千葉さんについて教えてください。

関:千葉は「益田と悠生のおかげ」と言いましたけど、この二人がオモシロ路線に突っ走り始めたきっかけが、千葉なんです。千葉は、ただ「カッコいい」だけじゃない、「面白いと思えるものこそカッコいい」という指針を持っている人で。例えばフライヤー1枚作るにしても、カッコいいだけじゃなくて、他がやっていない、尖った面白さを追求するのがすごく上手い。しかも今、千葉はKroiの楽曲のミックスも全部やっているので、楽曲にもそういう千葉のテイストは入ってくるし、千葉の加入によってKroiの方向性がガラッと変わった感じはしますね。

千葉:責任、感じてます。

長谷部:俺に関しては、千葉とルームシェアし始めたことによって、完全に意識が変わりました。人が表に立ってなにかをやることの意味を考えるようになったというか。主に、お笑いについての話なんですけど。

内田:今日、本当にそればっかだな(笑)。

長谷部:例えば、インスタに投稿するにしても「それはつまらないよ」って指南してもらったりして。「面白い/面白くない」の価値観形成において、僕はかなり千葉に影響を受けています。

千葉:一緒に住み始める前は、悠生はちょっと抜けきらなかったんですよね。それで、家でずっとふざけさせていたら、段々仕上がってきました。

――千葉さんの中にある「面白い/面白くない」の価値基準というのは、言語化するとどういうものなんですか?

千葉:「本心を伝え過ぎない」ということは、大事にしてますね。全部を言ったら面白くない。ほのめかしすぎず、相手に気づかせるようになにかを伝えることができれば、曲もお笑いも面白いものになると思ってます。隠されているものに気づいたときに、人の感情って動くものだと思うんですよ。

関:今言ったことって曲にも表れていて。綺麗にまとめ過ぎない、変な引っ掛かりを残しておく。そういうことを千葉はミックスやアレンジを考えるうえですごく意識していると思います。

内田:あと、千葉さんって、めちゃくちゃ探求心があるよね。何かについて疑問が浮かんだときに、それについて考えるのめちゃくちゃ好きだよね?

千葉:好き好き。ちょっとでもわからないことがあると、「どういうこと?」「どういう意味?」って人に聞くもん。すぐにググるし。

内田:そういう探求熱心な感じって、俺が今まで会ってきた面白い人の共通点かもしれない。千葉さんも、めっちゃ面白い人です。

関:あと、単純に鍵盤が上手い。

内田:上手いよねえ。すべての平均点がクソ高い。人間としてよくできすぎている。

益田:でも、欠点もありますよ。例えば、観光に行ったときに、神社仏閣や満天の星空のような綺麗なものに、千葉は一切の興味を示さないんです。「こいつの心は本当に豊かなのか?」と僕は疑っています。なので今度、一緒に星空を観に行こうと約束していて。千葉くん、楽しみだね?

千葉:……。

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