『ANSWER... SHINE』インタビュー

登坂広臣、ØMIとして表現する素直な自分 BTS SUGAから受けた刺激や『iCON Z』への想いも語る

セクシーだけどエロくはない? 「Starlight」で狙った絶妙なライン

ーー歌い出しの〈何が幸せ?なんて問いかけてた〉という歌詞を読んだ時、三代目 J SOUL BROTHERSとしてデビューしたばかりの頃、ハードスケジュールで体調を崩したり、歌が嫌いになった時期があったと話していたことを思い出しました。そういったことも踏まえて、この言葉が出てきたんでしょうか?

登坂:個人的には、この歌詞にはネガティブな想いは込めていなかったですね。歌詞を書く段階ではすでにMVのイメージも浮かんでいたので、「ANSWER... SHADOW」が自分の内側にグッと入り込む世界観だったのに対し、「You」は全てを解き放って、ここから旅に出ていくっていうストーリーにしたくて。まだ先の展開がどうなるかわからないですけど、いつか行うライブに繋がる旅の始まりのような歌詞にしたいなと思っていました。実際のMVも難しく作り込むことなく、自然体で撮影しましたし、歌い出しの部分もいろんな自然を見ながら明るく問いかけている感じで歌っています。ただ、デビュー時のことが全然関係ないわけではなくて。当時は辛かったことも、今では「あんなこともあったなあ」と笑いながら振り返えれるようになったから、こういう表現になったんだと思います。

ーー笑って当時を振り返ることができているのは、なぜだと思いますか?

登坂:『ANSWER... SHADOW』や『ANSWER... SHINE』といった作品に、自分の素直な気持ちを落とし込めたことが大きかったと思いますね。そこで消化できた気がする。それと去年、三代目 J SOUL BROTHERSはデビュー10周年を迎えて、今年、1年遅れのアニバーサリーイヤーを行っているんですが、三代目の10周年は僕の歌手デビュー10周年でもあるので、過去のことを振り返る機会が多かったんです。辛いこともあったはずなのに、意外と笑いながら当時を振り返っているなって、話しながら気づいて。そういったことが今作には色濃く反映されていると思います。

ーーもう1曲の「Starlight」は緻密なコーラスワークが美しい、R&B調のラブソングです。「You (Prod. SUGA of BTS)」が余韻を残さず終わったところで「Starlight」が入ってくると、パッと華やぎますね。夜空に一番星を見つけた瞬間のような気持ちになりました。

登坂:まさにそういうイメージで、空を見上げた時に「こんなに星があったんだ!」と気づく瞬間を描いています。時間軸でいうと『ANSWER... SHADOW』の暗闇が明けて朝になり、陽が差している中で旅をするのが「You」。ジャケット写真のようなマジックアワーとか夕暮れが「You」の時間かなと思っています。それから陽が落ちて「Starlight」の時間がやってくるという流れが、自分の中にありました。

ーー夜を舞台にした楽曲でも「ANSWER... SHADOW」とは全然印象が違いますね。

登坂:「ANSWER... SHADOW」の時は1人だったから、月だけが浮かんでいる夜空しか見えなかったけど、「Starlight」では“You”が一緒にいて星空に気づかせてくれる、そんなラブソングになっています。だから「You」は余韻を残さずパッと終わるんですが、「Starlight」はできるだけ一緒に夜を過ごしたいという願いを込めて、余韻を感じられる仕上がりにしました。「恥ずかしくて今まで言えなかったけど、素直な気持ちを言うね?」みたいな感じだから(笑)、時間が必要なんです。

ーーなるほど。ØMIさんが“夜”を歌うとセクシーな表現になりそうなところ、〈星座のカーテン〉とか〈屈託のない笑顔に 何度も恋する〉とか、ロマンティックな表現が散りばめられているのも新鮮でした。

登坂:作詞してくれたYoheiくんに「エロくしないで」って言いましたからね(笑)。とはいえ「Starlight」のようにブラックミュージックをベースとした楽曲には、セクシーさも必要なので、“セクシーさを匂わせながらもエロくはない”っていう絶妙なラインを狙いました。

『ANSWER... SHINE』を経たこれからのØMIへの期待

ーー『ANSWER... SHADOW』では、「light=光」が耳に残るような仕掛けが全曲の歌詞に施されていましたが、今回の2曲に関してはいかがですか?

登坂:ストーリーの繋がりはありつつ、細かな仕掛けは入れなかったですね。『ANSWER... SHADOW』はアート作品にしたいと思っていたので、あえてダブルミーニングを使ったりしていたんですが、『ANSWER... SHINE』は“目の前にいる君に伝えている”という作品にしたかったので、あまり難しいことは考えずストレートに伝えることを心がけました。それは歌い方にも出ていますね。『ANSWER... SHADOW』は目を瞑りながら“You”を探して歌っていたけど、『ANSWER... SHINE』は目の前にいる“You”に向けて語りかけるように歌ったので。

ーー主旋律やコーラスを録る際、技術的な面で特にこだわったことは何でしょうか?

登坂:「Starlight」は歌い上げるタイプの曲なので「You」よりもボーカルにこだわっていて、ノリとかグルーヴを大事にして歌いました。逆にコーラスは、ソロの楽曲でもあえて他の人の声を入れるのが好きで、この曲に限らず普段からYoheiくんやUTAくん、SUNNY BOYの声を入れていたりします。自分の声だけでコーラスを積むと、綺麗に馴染みすぎて奥行きが出ないんですよ。それが嫌で、ソロだからこそ納得の行くものにするために、「ここはYoheiくんが合いそうだから歌って」というふうに振り分けています。「You」の大サビなども、SUGAくんのコーラスを使わせてもらいました。「Starlight」の場合は自分で歌っているところもあり、実はYoheiくんのコーラスを裏で入れているところもあり、半々かな。フレージングよりも、そういった奥行きにこだわりました。

ーー〈Sorry baby ya〉と歌っているハイトーンボイスはどなたの声ですか?

登坂:そこは僕です。キーは高かったんですけど、自分でやりました(笑)。

ーーそうでしたか。声的にはØMIさんかなと思ったんですけど、あまりイメージにない歌い方だったので。

登坂:たしかに、こういう歌い方はあまりやってこなかったかもしれないですね。主旋律は自分が歌えば自分の色になるからいいんですけど、「Starlight」はコーラスワークとかフェイクでブラックミュージックのニュアンスを出すのが重要で。いつもの自分っぽく歌っているとそのニュアンスが出ないので、本場のアーティストになりきるような感覚で歌ったんです。主旋律を歌うよりも、そういったニュアンスを出すことのほうが難しかったですね。先ほども“「絶対こういうジャンルの曲にしたい」という凝り固まった考えは捨てる”と話しましたが、歌声に関しても、必要があれば自分らしさをあえて捨てる。それができることが、表現者としては大事なんじゃないかなと思いました。

ーー『ANSWER... SHINE』は“序章的立ち位置のシングル”だそうですが、この先はどうなっていくんですか?

登坂:『ANSWER... SHADOW』を4曲入りEPとして発表したように、この先にも『ANSWER... SHINE』の世界観のもと楽曲を発表する予定です。残りの楽曲も、先行で発表した2曲に負けないくらい面白い楽曲になっていますね。楽しみにしていてください。

ーーそして10月24日からは、『iCON Z ~Dreams For Children~』に独占密着する新番組『~夢のオーディションバラエティー~ Dreamer Z』(テレビ東京系)がスタートします。ØMIさんは女性部門のプロデューサーとして審査に参加されますが、どのような想いでオーディションやプロデュースに臨みますか?

登坂:オーディションに参加する人たちに、僕から自信を持って伝えられることって、自分が経験したことだけなんですよね。僕もオーディション出身者なので皆さんの気持ちが痛いほどわかるし、だからこそ「こうしなさい」なんて言い方はできないと思います。でも、実際に同じ道を通った自分が、参加者に寄り添いながらアドバイスしていけるのは、僕の武器でもあると思っていて。今は世界的にオーディションが増えていますけど、いちアーティストであり、オーディション出身者でもある自分がHYBE LABELS JAPANと共同でプロデュースしていくことが、『iCON Z ~Dreams For Children~』ならではの面白いところだと思います。

ーーどういうグループを作りたいというのは、すでに見えているんですか?

登坂:思い描いている理想像はありますけど、どういう逸材に出会えるのか、どうやって育てていくのかによって未来は変わっていくと思います。実際に出会った人たちによって、自分の理想が変化させられるのも、それはそれで楽しみですね。僕も一緒にたくさんのことを学んで、自分のソロや三代目の活動、日本の音楽シーンに還元していけたらいいなと思っています。

サイン入りチェキプレゼント

登坂広臣のサイン入りチェキを1名様にプレゼント。応募要項は以下の通り。

応募方法

リアルサウンド公式Twitterと公式Instagramをフォロー&本記事ツイートをRTしていただいた方の中から抽選でプレゼントいたします。当選者の方には、リアルサウンドTwitterアカウント、もしくはInstagramアカウントよりDMをお送りさせていただきます。
※チェキはランダムでの発送となりますので、メンバーの指定は受け付けておりません。
※当選後、住所の送付が可能な方のみご応募ください。個人情報につきましては、プレゼントの発送以外には使用いたしません。
※当選の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。

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<締切:11月11日(木)>

ØMI『ANSWER… SHINE』

■リリース情報
ØMI『ANSWER… SHINE』
10月15日(金)リリース
<収録楽曲>
01. You (Prod. SUGA of BTS)
02. Starlight
ストリーミング&ダウンロードはこちら

ØMI HP:https://www.hiroomi-tosaka.com

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