【特集】10代アーティストのリアル ~Teenage Dream~
「社会に出てもまともに働ける自信がなかった」 Ado、“陰な自分”と向き合い夢を掴んだ行動力
(夢を叶えるには)とにかく動くことが大事
――結果としてAdoさんのメジャーデビューは、シーンに対しても巨大な爪痕を残すことにもなりました。デビューからの約1年で何か変化を感じるところはありますか?
Ado:いろんなところで自分の楽曲や声が使われていたり、地上波に出させていただいたりっていうのは本当にありがたいことではあるんですけど、まだ実感がないというか。こういったインタビューで自分が載っているのを見ても、「え、なんで? あ、そうか」って、ちょっと遅れて理解するんですよ(笑)。ある意味、まだ人様の人生を味わわせてもらってるみたいな感じですね。
――考えてみれば、Adoさんの場合はものすごいスピード感で今の場所まで来ちゃった感じですもんね。
Ado:そうですね。ほんとにパンパンパーンといろんなことが起こったので。私としてはまだ2020年の11月みたいな感覚だったりもして。まだ1カ月くらいしか経ってないつもりだったけど、気づいたら「わ、2021年だ。もう1年経ってる!」みたいな(笑)。ただ、ここからはそんな考え方じゃダメだなって思っているところもあるんです。これは自分の人生なんだってちゃんと自覚を持っていかなきゃなって今はすごく思っていますね。
――日常生活での変化もあまりないですか?
Ado:まったく変わらないです。私の歌がバンバン流れてる薬局とかで、「すいません、これください」って普通に生活用品買ってる感じなので(笑)。
――メジャーデビュー以降はハイペースで6曲を配信リリースされています。一発目の「うっせぇわ」のインパクトが大きかっただけに、続く作品を制作するにあたってプレッシャーはありませんでしたか?
Ado:あるにはありますね。曲を出すごとに「次はどうしよう……」っていろいろ考えますし、「この歌い方は以前の楽曲に似ているからどうしよう」「これじゃダメだ」みたいな感じで葛藤することは多くなったと思います。ただ、そういう時間を経験することによって、音楽に対しての意識や考え方はだいぶ成長したような気がします。今の自分の立ち位置をしっかり自覚することで、プロ意識みたいなものはデビューする前と今ではだいぶ変わっていると思います。普段の生活はあいかわらずちゃらんぽらんですけどね(笑)。
――では、ご自身にとってインターネットの世界とはどんな意味を持つ場所ですか?
Ado:小学生の頃はもう秘密基地みたいな感覚でしたよね。いろんなものがどんどん飛び出してくる秘密の倉庫みたいな感じでもあったかな。当時はいい意味でディープな世界だったような気もするし。そこに私はすごく惹かれました。そこから今はだいぶオープンな場所になっているとは思いますけど、でも変わらずに私にとってはすごく大事な場所です。
――そこにはまだまだ可能性が広がっていると思いますか?
Ado:そう思います。同時に、すでに可能性じゃなく、いろんなことが実態になっている気もしていて。自分自身、まさか歌い手として活動できているなんて思ってもいなかったし、その肩書きのまま活動の規模を大きくできていることにビックリしている感じなので。
――以前よりもチャンスが身近になっているのかもしれないですね。
Ado:例えば動画を投稿するにしても、テクノロジー的にやりやすくなっているところもありますからね。小学生時代の自分からしたら、ものすごく羨ましい(笑)。ただ、そうやってチャンスが身近になった分、ライバルが増えて激戦区みたいな状況にもなっていると思うんですよ。インターネット上で成功することは昔も簡単ではなかったとは思いますけど、今は昔とは違った意味でより難しくなっている面もありますよね。
――夢が見つからない、夢はあるけどどうしたらいいかわからないという若い世代はきっと多いと思います。そういった人たちにAdoさんからアドバイスするとしたら?
Ado:まずはとにかく動くことが大事ですね。私は中学2年生のときに動いていなかったら絶対に今、ニートになっていたと思うんですよ(笑)。本当に動き出してよかったなって思うので、みんなにもそうして欲しいですよね。
――Adoさんには“歌”という指針がありましたけど、そこが見えていない場合はどうしたらいいんですかね?
Ado:自分が何を表現したいかを考えてみるといいと思います。自分のやりたいことを発揮するためにはどんな表現が合うのかを考えてみるのもいいですよね。で、そこを見つけるためには、いろんなものに触れてみることも大事なんじゃないかな。私はいとこにボカロを教えてもらったことをきっかけにハマっていったんですよ。そこでボカロに触れていなかったら、きっと今の私はいなかったと思う。なので、自分の知らないことには積極的に触れていくべきかなって。そして、自分のやりたいことが見つかれば、きっとインターネットがそれを形にする手助けをしてくれるはずなので。
――では、最後に2つの質問を。まずは、5年後の自分を想像してください。どんな人になっていたいですか?
Ado:5年後かぁ……今よりもうちょっとかっこよくなっていたいですよね(笑)。自分に対してのコンプレックスはまだ残っているし、考え方がすごく幼稚だなって思う部分もたくさんあるんです。客観的に自分を見ると「わぁ……」って残念な気持ちになってしまうというか(笑)。なので5年後にはそういう自分じゃなくなっていたらいいなって思います。
――音楽に関してはどうですか?
Ado:もちろん歌い続けていたいですし、昔の自分が思い描いていた姿に少しでも近づいていたらいいなって思います。Zepp DiverCityでのライブもそうですけど、やりたいことを全部叶えられていたら最高ですよね。音楽以外にも、やってみたいことはいろいろあるんですよ。私はフリーホラーゲームの実況動画を観るのが好きなんですけど、ああいうゲームってストーリーがほんとに素晴らしいものが多くて。なので、私も自分の創作したストーリーを何らかの形にしてみたいっていう欲求もあります。本を読むのが苦手で活字にはあまり触れてこなかったんですけど、ストーリーを創作することに挑戦すれば、それはもしかすると作詞なんかにも還元できるかもしれないですしね。
――では、もうひとつ。Adoさんにとっての座右の銘を教えてください。
Ado:座右の銘なのかはわからないけど、「たぶん大丈夫」っていう言葉かな(笑)。日常を生きていると「明日不安だな」とか「やっちゃったよ! 大丈夫かな?」とか「私ってこのままでいいのかな」とか、ネガティブな感情が襲ってくることってあるじゃないですか。私自身、この活動をする上で、そういったことを思って落ち込む瞬間が何度もあるんです。でも、そこで「たぶん大丈夫」って思うと、ちゃんと前へ進めるんですよね。だから自分にとってこれはものすごく大事な言葉なんだと思います。私はずっとそうやってここまで生きてきたので。
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【特集】10代アーティストのリアル ~Teenage Dream~
■リリース情報
2021年10月28日配信リリース
「阿修羅ちゃん」
詞曲・編曲:Neru
■番組情報
テレビ朝日系木曜ドラマ『ドクターX~外科医・大門未知子~』第7シリーズ
2021年10月14日スタート(毎週木曜 夜9:00~9:54放送)
※初回は夜9:00~10:09放送
番組公式サイト:https://www.tv-asahi.co.jp/doctor-x/
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