さんひ、mihoro*、上野大樹からyama、フレデリックまで シーンを担う5組が集った『BOOM BOOM BOOM LIVE vol.3』
ゲストアーティスト1組目として登場したのはyama。インターネットをきっかけに人気を得ており、今の音楽シーンを牽引するひとりと言ってもいい存在だ。バンドの中で淡々と佇むyamaは「ランニングアウト」でライブを始める。うねるベースと透明感のある歌声が混ざり合う。電子ドラムやシンセの音色がポップさを演出する「あるいは映画のような」、リバーブのかかった声色が柔らかい「希望論」と続く。「麻痺」ではサビ前にボーカルがブレイクを挟む構成にぐっと熱気が高まるのがわかる。間奏のベースとキーボードの掛け合いがライブ終盤に向けて気持ちを掻き立てる。ラストナンバーは最大のヒット曲「春を告げる」。優しさを備えた声色で歌い上げた。
大トリを飾ったのはフレデリック。一曲目から大人気曲「オドループ」で盛り上げる。いきいきしたベースの上にワードセンスが光る。メンバー同士で目くばせをして自由に動き回るなど、リラックスした雰囲気だ。「名悪役」でポップに、しかし少し翳ったような歌詞を紡ぐ。楽曲の中でも展開の振れ幅が大きく、油断していると振り落とされそうだ。「まだまだ俺たちと遊びましょう!」と「他所のピラニア」「ふしだらフラミンゴ」へと続き、妖しげな雰囲気で包み込んだ。この日のイベントを「音楽にしっかり向き合ってるイベント」と評すとラストナンバーとして新曲「サイカ」を披露。優しいAメロ・Bメロと力強いサビの対比が心地いい。サビ直前の〈灯せ〉が力強く響いた。
音楽シーンの現在やこれからを担う5組によるライブ。様々な作風とアプローチでさらなる多岐に渡る活躍を楽しみにしたい。