JO1のダンスを牽引する川尻蓮&豆原一成、対照的な二人の持ち味 Ado「踊」カバーパフォーマンスを軸に考察

 川尻のダンスの魅力は、“しなやかさ”と“華麗さ”だ。どんなにパワフルな曲でも、川尻のダンスは繊細で丁寧に作り込まれている。例えば「Born To Be Wild」はJO1の楽曲の中でも力強いパフォーマンスが目立つが、川尻のダンスは一貫して美しさが際立つ。そして、目線や表情の一つひとつまでもが抜かりなく、楽曲の細部を表現している。『PRODUCE 101 JAPAN』ではよくトレーナー陣が「曲の歌詞の意味を理解してパフォーマンスする」ことの大切さを練習生に伝えていたが、それをしっかりと体現しているのが、川尻だと思う。楽曲に合わせて、元気な笑顔やクールな表情、セクシーさまでしっかりと見ている者に伝える術を持っている。今回の「踊」のように、JO1が常にその楽曲の世界観にハマったパフォーマンスができているのは、そんな彼がダンスリーダーとしてメンバーを率いているからこそだろう。

 一方、豆原は良い意味で川尻とは「真逆」のタイプ。豆原のダンスは“パワフル”や“キレキレ”という言葉がぴったりだ。ダイナミックだが丁寧で、動き一つひとつにパワーがあり、見ているこちらまでもが元気になれる。力強いダンスで存在感もあるので、曲調がガラリと変わるときに、豆原がセンターポジションに登場することが多いように思う。特に「GrandMaster」の力強く頼もしい豆原のパフォーマンスは、〈誰が王者なのか I got a crown〉という歌詞とマッチしている。また「So What」での“舌ペロ”や、今回の「踊」で見せた“あっかんべー”など、豆原らしいパファーマンスも魅力的だ。

 川尻の美しいダンスと、豆原のパワフルなダンス。異なるタイプの2人がダンス面でグループを支えているからこそ、JO1はバリエーション豊かなパフォーマンスができているのかもしれない。

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