荻原梓のチャート一刀両断!

SixTONES、圧倒的大差で5作連続シングルチャート首位に コラボレートで引き出された“ありのまま”を伝えるメッセージ

参照:https://www.oricon.co.jp/rank/js/w/2021-08-23/

 最新のオリコン週間シングルチャートによれば、SixTONES『マスカラ』が496,384枚で1位を記録。続いて前週リリースのSexy Zone『夏のハイドレンジア』が8,978枚で2位、6月16日リリースのNMB48『シダレヤナギ』が6,587枚で3位となり、SixTONESが他を寄せ付けない圧倒的な大差で首位を獲得した週となった。

SixTONES

 『マスカラ』はSixTONESの5thシングル。表題曲はKing Gnu 常田大希による作詞・作曲で、ギターの演奏は常田、ベースは同バンドの新井和輝、オルガン/クラヴィネット/シンセサイザーはWONKやmillennium paradeのキーボーディストとしても活動する江﨑文武が担当している。また、マスタリングエンジニアにはケンドリック・ラマーやポスト・マローンの作品を手掛けた経験を持つマイク・ボッツィを起用している。

 歌詞に注目すると、マスカラというのはもちろん化粧道具のことで、自分自身を“取り繕う”アイテムの代表として選ばれているが、主人公が求めているのはむしろ〈飾らない笑顔〉や〈あの頃の二人〉といった“純粋さ”や“元の状態”であり、主人公はマスカラが落ちた状態、すなわち、ありのままの素顔=〈出会った二人のまま〉でいたいと強く望んでいる。マスカラを直接的に剥がすのは、悪化した二人の関係を象徴する〈枕を濡らした/涙〉や〈悲しみの雨〉である。いわゆる“雨降って地固まる”的な、マイナスの状態を乗り越えて、これからもう一度やり直そうという願いが込められた歌だと言えるだろう。

 常田節とでも言うべき、複雑さの中にも哀愁を感じ取れる独特のメロは本曲においても健在で、例えば、主人公の内面の叫びが最もよく出ているサビ終わりのフレーズ〈マスカラ剥がれたまま〉での複雑な拍子の取り方は、全員で合わせて歌うのすら至難の業だと思われる。その単純ではない旋律が、歌に描かれる複雑な感情や、拗れた二人の関係性をよく表している。

SixTONES – マスカラ[YouTube Ver.]

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