超特急、新曲「CARNAVAL」に詰め込んだグループの勢い 有観客ライブや『コント×超特急』から得たものも明かす

 結成から10周年という節目を迎え、活躍の幅をさらに広げている超特急。春に行われた初の本格コント公演『コント×超特急』はまさにエンターテイナーとしての5人の底力に圧倒されるものだったし、1年4カ月ぶりとなった有観客ライブツアー『Hoopla!』では、5人それぞれの個性とポテンシャルの高さを生かした構成と、音楽面における成長や充実もしっかりと感じさせてくれる内容で魅了してくれた。秋には10周年記念スペシャルライブ『Dance Dance Dance』も決定しているが、超特急にしか作り上げることのできない至福の音楽空間になることは間違い無いだろう。今回はそんな彼らの勢いをダイレクトに詰め込んだ新曲「CARNAVAL」について、また、開催間近となった待望のコント公演第2弾『コント×超特急 其ノ弐 ~初キス大作戦~』や『EBiDAN THE LIVE 2021』への意気込みについても聞いてみた。(山田邦子)

目標は「マツケンサンバII」超え?!

――新曲「CARNAVAL」が完成しました。めちゃくちゃテンションの高い楽曲ですね。

リョウガ:今回の曲は「ザ・サンバ」! サンバがテーマの楽曲になっています。

ユーキ:歌詞は、ブラジルのポルトガル語も交えていて。

タカシ:さらっと入っているんですが、結構ちゃんと愛を伝える言葉になっていたりします。僕たちを応援してくださっている8号車(ファンの総称)はもちろん、世界に向けて発信したとしても届く想いがあったりするんじゃないかなと。

リョウガ:ちょっと暗くなりがちな、そしてうつむいてしまいがちな世の中だからこそ、この曲で超特急が日本を、いやむしろ世界を元気にしたいという一心でリリースすることになりました。

――第一印象はいかがでした?

タクヤ:すごくテンションが上がりましたし、今(リョウガが)言ったようなテーマにもぴったりの曲になったんじゃないかなと思います。

カイ:第一印象としては、すごい賑やかだなと。最初は、サンバテイストになると思っていたんですよ。サンバ風、みたいな。そうしたらがっつりサンバだったので、思っていたよりびっくりしました。サンバテイストで言うと、僕達の「Make it hot!」という曲がちょっとサンバっぽいアレンジになっていたりしたことがあるんですが、今回は本当のサンバが来たから、すごく新鮮ではありました。

ユーキ:イントロが40秒くらいあって歌い出しまですごく長いから、振り付けとかでどう繋ぐんだろうってことをまず思いましたね。しかもイントロ、すごく賑やかだし。あとは本当に明るい楽曲だから、「なるほどこう来たか」っていうのもあったかな。衣装とかも含めて「マツケンサンバII」を超えたいなって気持ちにはなりましたよね(笑)。

――「マツケンサンバII」! 久しぶりに聞きました。

タクヤ:確かに(笑)。

ユーキ:あれよりも本格的なサンバの曲なので、これからはサンバ=「CARNAVAL」になれば嬉しいなと思いました。

タカシ:でもやっぱり、衣装とか通じるところはあるかもしれないですよね。結構ド派手だし。被り物とか羽根とか付けて、その上でこの振り切った楽曲をやるわけですからね。これはだいぶ面白いことになりそうだなと思いました。

――MVやアーティスト写真の衣装はジャケットのイラストが原型になっているそうですね。

ユーキ:実際は、イラストよりももっと派手です。

――今回もタクヤさんのプロデュースですか?

タクヤ:そうですね、僕のプロデュースです。

リョウガ:違います(笑)!

タクヤ:今回はプロの方にお願いしました(笑)。先日MVも撮ったんですけど、頭が重くて大変でした。

カイ:僕とユーキの衣装が、たぶん一番重いんですよ。これで踊ると羽根が動いたりして見た目は派手な感じでいいんですけど、首がすっごく疲れた(笑)。みんな結構実物はキラキラした感じの衣装なので、MVで見るとすごいことになっていると思います。

ユーキ:それでがっつり踊ってますからね。

タクヤ:でも僕は、結構アイテム的にはシンプルな方かな。パンツにタイトなロンTを着て、ベストにシルクハット。装飾はすごく派手だけど、アイテム的にはすごく楽だったので踊りやすかったですよ。

リョウガ:僕も、みんなに比べたら重くなかったかも。被りやすい、警官みたいな帽子にゴリゴリのストーンが装飾されています。イラストとは違って、胸元は肋骨みたいになってました。

タクヤ:ガリガリ担当だから(笑)。帽子も、リーダーだからだと思いますよ。

リョウガ:隊長みたいな感じでね。

タクヤ:あと、カイは1人だけスカートっぽくなってたね。

カイ:そう。巻きスカートみたいな感じで。

――タカシさんは王様のイメージですか?

タクヤ:ぴったりですね。キングスライム(笑)。

タカシ:キングスライムみたいな王冠を被っていて、いわゆる王様っていうイメージの時によく見るカボチャパンツとハイカットブーツみたいなのを履いてます。いろいろキラキラした装飾もあって、上半身だけ見るとすっごい派手なウルトラマンみたい(笑)。

――細かいところもぜひチェックしてほしいですね。ちなみにこの衣装で撮ったMVはどんな仕上がりになっているんですか?

ユーキ:今回は本場のダンサーの方と一緒に撮らせてもらいました。ブラジルの方が5人、日本のダンサーが8人。振り付けは元々お世話になっているU★Gさんに紹介していただいた方に初めてやっていただきました。ちゃんとサンバのステップも入れつつ、超特急らしさというか、僕達なりの見せ方もある感じになっています。かなり見応えがあると思いますよ。

――サンバでガッツリ踊るというこのテンションも、きっと11月23日の10周年記念スペシャルライブ『Dance Dance Dance』のイメージにつながっていくんでしょうね。

ユーキ:かもしれないですけど。

タクヤ:言っても、まだ数カ月ありますからね。

リョウガ:何が起こるか……。

タクヤ:お楽しみにということで。

カイ:逆に、何もないかもしれないですけど(笑)。

制約がある中でのライブも超特急なら余裕で乗り越えられる

――今回のライブを作り上げていくにあたっては、『BULLET TRAIN ARENA TOUR 2021 SPRING 「Hoopla!』」をやってみて改めて実感したことなどもモチベーションになっているのでは?

ユーキ:そうですね。やっと再会/再開できたというのもあったし。

リョウガ:実際ライブが始まる前は、1年4カ月というブランクもあるし、半キャパとか客席は声を出しちゃいけないとか、正直ライブをやる上でマイナスに感じるような部分も沢山あって「どうなってしまうんだろう?」という不安はあったんです。でもいざ始まると、あっという間に終わってしまって。「ちょっともの足りなかったね」とかは全く無く、もちろん声が出せた方がより最高のライブになったとは言えど、今のこの環境の中でできることを、8号車のみんながそれ以上の気持ちでやってくれたので。コロナ禍という、1分1秒でも早くなくなって欲しい環境ではありますが、制約がある中でのライブも超特急なら余裕で乗り越えられるという確信を得ることができました。

タクヤ:やっぱり僕たちのライブは8号車の姿があってこそだなと思いましたし、すごく思い出深い、超特急の歴史に名を刻むようなツアーになったんじゃないかな、と。

カイ:実際に8号車のみんなと一緒にライブをやると、「そうこの感じ!」っていうのを改めて思ったから、今思えばだけど、配信ライブはそこまで楽しくなかったのかもなって思うくらい有観客が楽しかった。そこに改めて気づいたというか、思い出したというか。

タカシ:気持ち的に全然違いましたよね。配信ライブもみんなが見てくれているんだと思うからやれる部分もあるけど、やっぱり直接レスポンスがあるわけではないから。後々SNSとかのコメントで知る、間接的なものでしか見られないし感じられないじゃないですか。どういう形であれ、みんなの前でライブができてみんなの前で歌えたっていうことに、すごく意義があるなって思いました。

――どうしたら喜んでもらえるか、楽しんでもらえるか、ライブの原点に立ち返る感覚もあったのかなと思います。

ユーキ:そうですね。原点回帰じゃないけど、やっぱりシンプルに考えて、1年4カ月ぶりのライブを新曲だらけでやるのは違うなと思ったし。改めて超特急っていうものを1から知れるきっかけになるライブにもなるのかなと思ったし、ある意味、新しさもちゃんと残しつつ、これまでの超特急を全て生かしたようなライブになっていたんじゃないでしょうか。

――そんな思いを踏まえての『BULLET TRAIN 10th Anniversary Super Special Live 「Dance Dance Dance」』。笑顔で元気に音楽を楽しめる1日になればなと思います。

ユーキ:そうですね。本格的に準備に取り組み始めるのはもう少し後になると思うんですが、状況が落ち着いていればいいなって思います。中止になってしまうのはもちろん一番寂しいことだけど、この先にすごい“楽しみ”が待っているんだって思いながら僕らも準備していきたいと思っています。

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