櫻坂46&日向坂46『W-KEYAKI FES.2021』レポート バトンを手渡しながら築き上げていった“つながり”の大切さ

 その後、櫻坂46はスクリーンに現れた大きな月を背景に「ブルームーンキス」を踊り、幻想的なステージを演出する。改名して刷新されたイメージを象徴するかのような「思ったよりも寂しくない」のワチャワチャ感も印象的だった。日向坂46の「JOYFUL LOVE」では、両グループのファンが団結して会場をペンライトの光で虹色に染め上げ、有観客ならではの美しい光景を作り上げていた。「君しか勝たん」ではグループ全体が満面の笑みで踊り、多幸感を演出。両グループともに様々な取り組みで現場を盛り上げていた。

 辺り一面がすっかり暗くなり、ライブはいよいよラストスパートへ。櫻坂46はここで初めて「Nobody’s fault」にてシングル表題曲を繰り出した。美しく、そして力強く魅せていく彼女たちに対し、日向坂46は躍動感あるポップなダンスナンバー「キツネ」で会場のボルテージを最高潮へ持っていく。

 その興奮冷めやらぬうちに櫻坂46は「Buddies」、日向坂46は「NO WAR in the future 2020」と怒涛の勢いで畳み掛ける。間髪入れずに櫻坂46が「BAN」を披露。激しいダンスに特効も使用され、会場のテンションはまさに大爆発。そして日向坂46が「誰よりも高く跳べ!2020」にて持てるパワーを全力で出し切っていた。

 このように両グループが交互にバトンを繋いでいく形で進んでいった本イベント。メンバーが「これからはもっとグループ間のつながりを大切にしたい」と語っていたように、幕間のMCコーナーでは坂道3グループが共演したドラマ『ボーダーレス』での裏話や、お互いのグループの推しメンを明かしたり、キャプテンがお互いの持ち曲で好きなものを挙げたりなど、グループの垣根を越えたメンバー同士の話を披露していたのが印象的だった。

 最後は両グループ揃って「W-KEYAKIZAKAの詩」を披露。歌唱後には綺麗な花火も打ち上がり、どちらのグループにも温かな拍手が送られる、まさに“ノーサイド”な一夜となった。両グループともに今夏には全国ツアーを開催予定だ。今後も両者のつながりを重視しながら成長していく姿に注目が集まる。

■荻原梓
J-POPメインの音楽系フリーライター。クイックジャパン・リアルサウンド・ライブドアニュース・オトトイ・ケティックなどで記事を執筆。
Twitter(@az_ogi)

櫻坂46公式サイト
日向坂46公式サイト

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