『HELLO NEW WORLD』インタビュー
BUGSとTSUBAME、コラボ作で伝える音楽を楽しむフィーリング 2人の間に飛び交う新鮮な感触とは?
移り変わりが激しいし消費されるものだと思う、いまの音楽は(BUGS)
ーー音感としてはTRAP以降のビート感に貫かれているけど、2ステップがあったりムーンバートンのエッセンスが入ってきたりする雑食性は、そういう部分から繋がるんだろうね。では『HELLO NEW WORLD』の制作の進め方は? BUGSくんはトラックメイクも手掛けるけど、今回はTSUBAMEくんがトラックを全て手掛けてるね。
TSUBAME:一人のアーティストをフルプロデュースしたいっていう気持ちもあって。ただ僕が主導権を握ってるというよりは、BUGSからの「こういうのを作りたい」っていうアイディアと、僕からのアイディアの半々で作った感じですね。
BUGS:僕からの提示は抽象的な感じでしたね。「こういうノリがやりたい」みたいな。それをTSUBAMEさんが解釈して形にしてもらったり。
ーーリリックに関してもそこまで具象的ではないよね。
BUGS:テンションで書くことが多いですね。
TSUBAME:音感を大事にしてるよね。
BUGS:「聴いてて気持ちいい」を大前提にして、その中にメッセージだったりパンチラインが込められたらと思ってますね。
TSUBAME:トラックに関しては、「#F6BFBC」みたいなジャングルビートの曲だったり、「CHERRY PIE」みたいなオルタナっぽい曲は僕の方から提案したり。リトマス試験紙みたいな感じでもあるんですよね。トラックを通して「俺の感覚ってまだイケてる?」ってBUGSに確認するというか。だからあんまりピンと来てない感じだったらこっそり隠すみたいな(笑)。
ーー「#F6BFBC」は、サンプルネタの使い方からのイメージも含めて、昔のLTJブケムとかロニ・サイズの曲みたいな、DTMやトラックメイクの技術にまだ制限があるような時代の感触があるよね。
TSUBAME:00年代のエレクトロが流行るちょっと前の、僕がハタチぐらいのころにDJで使ってた曲の感じを出したくて。
ーー今回のアルバムって、これは悪く捉えないで欲しいんだけど「根の無いアルバム」だと感じたんだよね。それは「自分たちはこうです」という意思だったり、「自分たちの原点はこうです」というアピールのような部分が感じにくいところからそう思って。それよりも、もっと刹那的というか、快楽主義的というか、「興味のあることをとにかくやってみた」という感じが軸になってるなと。
TSUBAME:言ったら「サブスク的」なのかもしれないですね。僕ら世代は、「こういうアーティストがいて」「こういう背景があって」「だからこういうサウンドを作る」みたいな概念をもとに音楽を聴いてた部分もあると思うんだけど、BUGSの世代はもっと単純に、自分とって「気持ち良いか気持ち良くないか」「イケてるかイケてないか」みたいな判断を重視してるのかなって。
BUGS:あ~。そうかもしれないですね。
TSUBAME:だからこの作品も、もっと感覚で作った方が聴いてもらえる可能性は強くなるのかなと思ったんですよね。自分としてもそういう感覚で作品を作りたかったし、アルバム全部を好いて貰おうって気持ちより、この中でフィーリングに合う曲があればそれを楽しんで下さい、ぐらいの気持ちがいいのかなって。
BUGS:確かに、僕らの世代が音楽について話すときって、一人のアーティストについて延々話すより、曲単位で色んなアーティストの話が飛び交う感じなんですよね。
ーー実際、サブスクやYouTubeで単曲でリリースされる曲も多いから、必然的にそうならざるを得ない部分もあるよね。
BUGS:そういう感覚を一個のアルバムで形に出来たら面白いっていうのはテーマだったかもしれない。
TSUBAME:制作に関してもやっぱり一曲ごとに注力して、ロックもやるし、今っぽいのもやるし、ヒップホップもやるし、みたいな。
BUGS:「だって全部好きなんだもん」っていう感じです(笑)。歌い方も歌い上げたりラップしたり幅広いと思うんですけど、それは全部自分が好きなスタイルだからなんですよね。
ーーそれはDTMとラップという組み合わせだから出来る部分もあるだろうね。DTMという使い方によって無限に作風が変えられる武器と、ラップっていう全てのボーカル表現を取り込める武器が合わさったことで、このアルバムの自由度になったというか。ちなみに、このタッグでの今後の動きは?
TSUBAME:もう何曲かは作ってて、出し方はこれから考えましょうか、と。まったく新しいアプローチをやりたい感じにもなってるんで、それを作品に落とし込めたらいいですね。
BUGS:それぐらい移り変わりが激しいし、消費されるものだと思うんですよね、いまの音楽は。
TSUBAME:ちょっと悲しいけどね。力入れて、時間掛けて作った作品なのに、ネットニュースみたいに一瞬だけ反応されて終わり、っていうのがとにかく多いから。
BUGS:それに適応しないといけないのかな、と思う反面、そうじゃないものをちゃんと形にしたいとも思ってますね。
■リリース情報
BUGS, TSUBAME
『HELLO NEW WORLD』
配信:5月14日(金)
LP発売:7月17日(土)
(国内プレス、E式ジャケ付、33回転、生産数限定盤、DLコード封入)
<収録曲>
01. NEW WORLD
02. NO SAD!! feat. AAAMYYY
03. LOVE YOU feat. MANON
04. CHERRY PIE
05. BUGS BUNNY
06. DRUGS feat. 荒谷翔大(yonawo)
07. COLD SUNFLOWER
08. #F6BFBC
09. WHY feat. Calli Stephus
10. ALL MY FRIENDS
11. HELLO
All Tracks Produced & Mixed by TSUBAME
Mastered by Maito
Art Direction & Designed by GUCCIMAZE
週末CITY PLAY BOYZ
『SHE IS ALIEN』
配信:3月12日(金)
2LP:7月18日(日)
(国内プレス、E式ジャケ付、33回転、生産数限定盤、DLコード封入)
<収録曲>
1. SHE IS ALIEN [Track by Bunny Beats]
2. ANDY [Track by Bunny Beats]
3. KIDS! [Track by TSUBAME]
4. INN [Track by TSUBAME]
5. ROSS [Track by Charlie]
6. HEY JACK [Track by Bunny Beats]
7. TRUE ROMANCE [Track by Bunny Beats]
8. BUT SHE LOVES ME [Track by Bunny Beats]
9. THIS IS LOVE [Track by Bunny Beats]
10. PUFFS feat. Calli Stephus [Track by TSUBAME]
11. BOUNTY [Track by Bunny Beats]
12. TOMATO SOUP [Track by Bunny Beats]
13. HOTEL [Track by Bunny Beats]
14. CHEAP 2 [Track by Bunny Beats]
15. ROMANTIC COMEDY [Track by MADLISK]
16. HAPPY [Track by Bunny Beats]
17. KILL ME ON YOUR PLANET [Track by Bunny Beats]