『ウマ娘』の「うまぴょい伝説」って知ってる? カバーやダンス動画でミーム化した背景

「うまぴょい伝説」、「もってけ!セーラふく」にも通じる楽曲展開

『ウマ娘 プリティーダービー』WINNING LIVE 01

 もともとアニメ・声優ファンの間では人気を集めていた「うまぴょい伝説」。一般に広がったきっかけは、今年に入りゲームがリリースされたことと、アニメシーズン2の最終回のエンディングテーマに起用されたこと。アニメや声優、ゲーム好きの著名人が『ウマ娘』についてコメントしたほか、『超逆境クイズバトル!!99人の壁』(フジテレビ系)の楽曲当てクイズで出題され中川翔子が力説、『中居正広のニュースな会』(テレビ朝日系)などメディアにも取り上げられたことが追い風となって人気が加速した。

 「うまぴょい伝説」は、まさに今レースがスタートせんばかりのファンファーレで始まり、その高揚感は「ようこそジャパリパークへ」にも通じるものがある。早口で歌うメロディから爽快なサビへと抜けるジェットコースター的な展開は、『らき☆すた』オープニングテーマ曲「もってけ!セーラーふく」の系譜だ。歌詞にはカウントダウンや短いパッセージを繰り返すパートが多く、一部を切り取っても成立する展開など、TikTokで使われやすい要素を多数兼ね備えている。手で耳をピョンピョンさせながらジャンプするかわいい振り付けや、ただ走り回るといったマネしやすい動きも満載で、動画にしやすいのも人気の秘訣だろう。

 「もってけ!セーラふく」に端を発した、同じ振り付けを大勢で踊るダンス動画をあげる行為は、AKB48「恋するフォーチュンクッキー」や星野源「恋」などで一般に普及し、「紅蓮の弓矢」や「ようこそジャパリパークへ」などでさらに加速した。当初ニコニコ動画やYouTubeが主だったプラットフォームは、TikTokやTwitterが加わり、より短時間でインパクトを与えることができるものへと移行している現在。その需要に応えながら旬である、そこに見事にハマったのが「うまぴょい伝説」だったのだろう。

■榑林史章
「山椒は小粒でピリリと辛い」がモットー。大東文化大卒後、ミュージック・リサーチ、THE BEST☆HIT編集を経て音楽ライターに。演歌からジャズ/クラシック、ロック、J-POP、アニソン/ボカロまでオールジャンルに対応し、これまでに5,000本近くのアーティストのインタビューを担当。主な執筆媒体はCDジャーナル、MusicVoice、リアルサウンド、music UP’s、アニメディア、B.L.T. VOICE GIRLS他、広告媒体等。2013年からは7年間、日本工学院ミュージックカレッジで非常勤講師を務めた経験も。

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