BTS、ポジティブな存在感で世界を変えるグループに? インタビューの発言から伝わるメンバーの心情
続いて、長引くパンデミックに混乱する世の中に放たれた「Life Goes On」は、「Dynamite」とは異なり歌詞が韓国語であることから、米国のラジオ局で流れる機会は皆無に等しかったという。それでも、Billboard Hot 100で1位を獲得。1958年にスタートして以来、主に韓国語で歌われた曲が1位を獲得するのは、これが初めてのことだったそうだ。
「壁は確かに崩れつつあり、止まることはありません」とRM(※2)。さらにBTSは「Dynamite」に続いて全編英語詞の「Butter」も発表。さっそく、Billboard Hot 100で4週連続1位を獲得し、大きな反響を呼んでいる。BTSの発するエネルギーは、人々の心へと広がるたびに熱を帯びていく。徐々に、そして着実に、頑なになったしがらみを溶かし、そしてより風通しのよい世界に。
「(「Dynamite」の)練習を重ねて何度も歌ううちに曲にも慣れて、より自然に発音できるようになりました(※3)」(JUNG KOOK)、「たくさん英語を勉強しているおかげで、だんだん英語に慣れてきました(※4)」(SUGA)……と、ソロインタビューからも貪欲に言語の壁を超えた存在へと駆け上がっていく様子が伺える。
彼らが、すでに日本語という壁を超えた軌跡も自信の一つになっていることだろう。6月16日にリリースした日本ベストアルバム『BTS, THE BEST』は、今年度最高初週売上を突破し、記録的なヒットを達成している。こうした数字は韓国から日本、そして世界へと羽ばたく彼らを応援するARMYの気持ちの大きさそのものだ。
記事の中に、こんな言葉があった。「BTSはファンにとって、親友のような存在であるべきだ」(※5)。世界的なスーパースターでありながら、その存在感は一番頑張っている身近な友だちのよう。お互いにその奮闘ぶりが励みになり、その熱意の交換がやがて世界を変えていく。ここからBTSがどのようなチェンジメーカーとしての活躍を見せてくれるのか、ますます目が離せない。
※1、2、5:『Rolling Stone Japan vol.15』より
※3:https://rollingstonejapan.com/articles/detail/36056/3/1/1
※4:https://rollingstonejapan.com/articles/detail/36082