THE BACK HORNが放つ「生きる」というメッセージ ストリングス交えてドラマチックに再構成した『リヴスコール』
4人のフランクな会話と前述した松田のMCを挟んでの後半は、山田がギターを持って力強く歌った「夢の花」から始まり、「星降る夜のビート」ではジャジーなピアノが曲に新たな表情を加えた。THE BACK HORNのライブでは定番曲と言える「コバルトブルー」の、高揚感たっぷりのイントロが鳴るとストリングスチームにも興奮が走り、バンドとストリングス、キーボードがせめぎ合うようにそれぞれの音を奏でる。その熱を保ったまま突入した「シンフォニア」はシャープなストリングスと相対するようにギターがザクザクとリフを刻み、山田がアカペラで歌うところではストリングス・チームが弓を振ってオーディエンスを盛り上げた。そんな熱気の中で「戦う君よ」のサビメロをストリングスが奏でて束の間の清涼感を漂わせ、その空気で蘇ったかのようにバンドが一段と力強く曲に進んだ。
歌い終えた山田が、会場に来るまでの電車で見かけたTHE BACK HORNのTシャツを着た二人組との出会った嬉しさを話し、来場した人も来れなかった人も配信を見ている人にも感謝を述べた。そして「これから何年も、この曲を歌っていきたい」と「世界中に花束を」を歌い出した。力強いコーラスが入るこの曲は『リヴスコール』に先駆けて配信され売り上げを義援金として寄付した、彼らにとって大切な曲の一つだ。
「どうもありがとう。めかるストリングス！ 曽我淳一！ そしてTHE BACK HORN！ そしてみんな、どうもありがとう！」
山田が力いっぱい叫んで、本編のステージを降りた。
アンコールは松田が「最高の夜になりました。声は出せないかもしれないけど、皆の表情と拍手と動きと想い、全部伝わってきています。僕らは音楽をやれる場所があればやり続けていきたい。来てくれた皆さん、配信を見てくれた皆さん一人ひとりの幸せを願ってます。どんなことがあっても生きましょう」と言い、山田は「俺たちは音楽を奏で続けてるので、また良きタイミングで遊びに来てください。俺らはずっと待ってます」と歌い始めた「ミュージック」はバンドだけの大らかな演奏を聴かせた。4人一丸となった底力を感じさせた「ラピスラズリ」、そして彼らの真骨頂とも言えるエネルギッシュなロックチューン「刃」が、この夜をさらなる高みへと持ち上げた。
「また生きて会おうね。絶対だぞ！」
山田のこの言葉は、いつにも増して胸に沁みた。
■配信概要
『THE BACK HORN「KYO-MEIストリングスツアー」feat.リヴスコール』
2021年6月11日（金）
・会場：Zepp Haneda(TOKYO)
・配信サービス：StreamPass & FanStream
・開場＆開演：開場18:00 / 開演18:30
・アーカイブ：6月20日（日）23:59まで
・チケット代：¥3,500税抜
・販売期間：6月20日（日）21:00まで
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■全国ツアー情報
『THE BACK HORN「KYO-MEIストリングスツアー」feat.リヴスコール』
＜振替公演＞
6月27日（日）Zepp Namba（OSAKA）
OPEN16:00/START17:00
※5月21日（金）公演のチケットをお持ちの方で、振替公演にご来場ご希望の方は、お手持ちのチケットをそのままご利用いただけます。