花譜ライブシリーズ『不可解』や新ユニットV.W.Pの根幹にある“創作への情熱” <KAMITSUBAKI STUDIO>統合Pインタビュー
(特殊歌唱用形態は)「半分本気、半分はふざけている」
ーーライブで観測者の方々も楽しみにしているのが、花譜さんの特殊歌唱用形態です。今回、クラウドファンディングの6千万円の特典として新形態のお披露目が予定されます。これまでの衣装は鳥に関連するものですが、どういうコンセプトでつくられているのでしょうか?
P:この辺はプロデューサーワークというか、そもそも衣装に名前が付いていることが、リアルアーティストにはないことだなと思っていて。真面目にライブを進行する中、急にアニメみたいな展開が入ってくる流れは、ライブにおける違和感にも繋がっていると思っているんですけど、半分本気、半分はふざけているところはあります。今ではお馴染みになっていますが、最初の掴みとしては驚きを与えられたかなと。鳥をモチーフにしているのは、最初にカンザキさんの「雛鳥」という曲があって、そこから花譜=雛鳥というイメージを膨らませたからです。これまでのお話にも通じますが、クリエイティブをする上で積み上げていく感覚を大事にしているんですね。なぜライブシリーズが『不可解』というタイトルなのか、魔女の系譜曲はなぜ漢字2文字なのか、衣装はなぜすべて鳥なのか……。全部に意味はありますが経験則として、何か制約を持ってクリエイティブすることに面白さの秘密があるのではないかと思っています。
ーークリエイティブを共にするパートナーの方には、自由にそのセンスを発揮してもらうというか。
P:メッセージ性がずれていなければ、自由度を高く関わっていただくのが正解だと思います。花譜のクリエイティブに関しては、そういう自由に関わっていただく部分と絶対にブレてはいけない部分が両方の要素があるんです。
ーーあくまで作品としてのクオリティを追求する、<KAMITSUBAKI STUDIO>はとことんクリエイティブ集団なんだと感じます。今回、新しく追加された『Q3』はどんな公演になりますか?
P:『Q3』は原点回帰というか、『Q1』と『Q2』とは違うことをしたいと思っています。一度、『Q1』、『Q2』、『Q3』という異なる性質のステージを行ってみて、視聴者がどんな反応をするのかを見てみたいという気持ちもありまして。花譜本人にも頑張ってもらう部分はありますが、なにより舞台装置を作るスタッフも本当に大変なことになっています。おそらく、今回『Q3』を開催して、そこで得たものをさらにアップデートした先に“次のライブのヒント”があるのではないかと思います。
ーー今回の『REBUILDING』を経て、今後<KAMITSUBAKI STUDIO>としてはどんな構想を練っているのですか?
P:音楽に関して言えば、やっぱりライブが一番のR&Dだと思っているんです。一番投資しなきゃいけないタイミングであり、実験的に攻めることができる。これまでの『不可解』を通して感じたことは、オンライン/オフラインに関係なく、ライブ体験を作るということはアルバム作品を作る以上に、アーティストや僕らも進化できるタイミングなのかなと。通常であれば、ライブはアルバムの集大成であって、チケッティングや物販を含めて一番のマネタイズの機会だと思うんです。でも、僕らの場合は、だいたいアルバムを出す前にライブをやるし、そこに対する投資も大きい。作業や金銭面においても、かなり大変ではあるのですが、リアルやバーチャル、ARと様々なライブ形式を横断しながらも部分的には共通項ができているので、土台となる部分が洗練化されてきた手応えもあります。花譜に限らず、他のV.W.Pメンバーのライブも検討しているところなので、今後の展開も楽しみにしてほしいですね。
ーーそのほか、ゲーム『神椿市建設中。』や『Q2』ではアニメ作品さながらの告知映像もありましたが、アーティストや音楽を中心に広がる新しいコンテンツにも期待してしまいます。
P:代表的な曲を太い幹として、枝葉のように広がりを出していくという発想ですね。外部からのタイアップというわけではなく、自分たちでタイアップを作っていくような感覚といいますか。例えば、カンザキくんは「あの夏が飽和する。」という曲を小説として出版したところ、10万部以上のヒットを記録しました。そういう意味でも、流通としての出版業界は重要視すべきポイントだと思っています。僕らは基本的にD2Cで作品を販売しているので、タワーレコードをはじめとする、CDショップには基本的には流通を持たないんです。ただ、本屋さんは店舗数の桁が違いますし、そもそも書籍を作るプロの方々の知見をお借りするというのは、音楽とは違うベクトルにクリエイティブが広がっていく面白さがあります。今の時代、CDを10万部売るのはすごく大変なことで、もちろん書籍も同様に大変ではあるのですが、カンザキくんが1冊目でそれが実現したことを目の当たりにした時は書籍の底力を感じましたし、音楽ではない切り口の可能性も感じました。
ーー<KAMITSUBAKI STUDIO>のアーティストの曲は、物語と連動するような作品も多いイメージがあります。それこそ、YOASOBIを筆頭に小説×音楽というブームの流れもありますよね。
P:物語と連動した音楽があるからには、それをしっかりだしていきたいなという気持ちはあります。それにクリエイター自身にたくさん還元できるという意味でも、小説にはすごく可能性を感じています。YouTubeのコンテンツIDに加えて、音源やカラオケ、そして小説の印税など、きちんと収益としてクリエイターに還元されていくことは、マネジメントしている僕たちとしてもすごく誇らしいことなんです。
(ライブ写真=『不可解弐Q2』)
■ライブ情報
『不可解弐 Q1:RE- 形を失った世界で僕らは-』
2021年6月11日(金)
開場 17:00 / 開演 18:00 予定
夜の部
『不可解弐 Q2:RE-世界線は分岐する-』
2021年6月12日(土)
開場 11:00 / 開演 12:00 予定
昼の部
『不可解弐 Q3-魔法の無い世界-』
2021年6月12日(土)
開場 16:00 / 開演 17:00 予定
夜の部
詳細はこちら→http://fukakai2.kamitsubaki.jp/
「不可解弐 Q1:RE- 形を失った世界で僕らは -」生配信
配信日時:2021年6月11日(金)開場17:30 / 開演18:00(予定)
アーカイブ配信期間:放送終了後〜2021年6月20日(日)23:59まで
販売期間:6/5(土)18:00~6/20(日)20:00まで
※冒頭数曲はYouTube Liveにて無料配信予定
※コロナの状況により開演時間等が変更される可能性がございます。
チケットはこちら→https://www.zan-live.com/live/detail/10067
「不可解弐 Q2:RE- 世界線は分岐する -」生配信
配信日時:2021年6月12日(土)開場11:30 / 開演12:00(予定)
アーカイブ配信期間:放送終了後〜2021年6月20日(日)23:59まで
販売期間:6/5(土)18:00~6/20(日)20:00まで
※冒頭数曲はYouTube Liveにて無料配信予定
※コロナの状況により開演時間等が変更される可能性がございます。
チケットはこちら→https://www.zan-live.com/live/detail/10067
「不可解弐 Q3- 魔法の無い世界 -」生配信@YouTube Live
配信日時:2021年6月12日(土)開場16:30 / 開演17:00(予定)
アーカイブ配信期間:2021年6月12日(土)23:59まで
※YouTube Liveにて全編無料配信
※コロナの状況により開演時間等が変更される可能性がございます。
配信はこちら→https://youtu.be/oBS4e775PRM
KAMITSUBAKI STUDIO公式サイト
https://kamitsubaki.jp/