佐藤結衣の『ラジオdeジャニログ』
KinKi Kids 堂本光一、コロナ禍でもブレない姿勢 ラジオで見えた“他者を受け入れるスタンス”
「やりとりを重ねていって形にしていく。自分はそういう考え」
「私はそれが好きですね」「俺はそうしたいと思います」と、堂本光一の語尾にはこうした「私は」「俺は」と自分の言葉であるという覚悟を感じる節がある。そうした言葉の言い回しにも、“堂本光一は芯のブレない人”というイメージを持つのかもしれない。
とはいえ、頑なに自分の意見を押し通そうとしているタイプなわけでもないのが、彼が人から慕われる所以だ。ライブや舞台を作り上げていく上で、照明や特効、映像など各セクションのスタッフに対しても、プロの手腕を信じてイメージを伝えた上で「1回そちらの案を聞かせてもらっていいですか」とやりとりを重ねていくのだと明かす。
「いろんな人の意見をどんどん聞く、どんどん意見を取り入れる、そこからまた新しいアイデアを生む、っていうのが僕は一番いいんじゃないかなと思います」と、またしても「僕は」とあくまで自分自身のケースであることを強調する。
他の人には他のベストがあるかもしれない。しかし自分のやり方はこうだと、決して押し付けることなく、人との絶妙な距離感をしっかりと提示してくれるからこそ、彼のことを圧倒的な存在でありながらも身近に感じられるのだろう。
ちなみに、意見を聞き入れない人に対して堂本光一はどのような態度になるのか。この日、気になる言葉遣いについて「何気なく伝えてみては」というアドバイスのあとに、こんなことを言っていた。「それでも、もしも“はぁ?”みたいな感じの人だったら。“コイツ消えるな……”って心の中で思っていればいいんじゃないですか? 俺はそういうタイプなんで(笑)」。
確固たる自分を持ちながらも、柔軟に他者を受け入れる。その呼吸が噛み合う人と、自然に繋がり続ける。そのスタンスが、どんなに世界が揺れ動いたとしても、堂本光一らしさを崩すことなく活躍し続けている理由なのだろう。
「本来ならば昨年リリースする予定だった」という6年ぶりのソロアルバム『PLAYFUL』のリリース。6月20日からスタートする予定のソロツアー『KOICHI DOMOTO LIVE TOUR 2021 PLAYFUL』。そしてミュージカル『ナイツ・テイル ―騎士物語―』の再演。コロナ禍によって様々な計画がずれ込み、多忙を極める中でも、堂本光一のスタンスはやはりブレることがない。
とはいえ、「そろそろKinKi Kidsとしての活動も見たい」というファンがいるのも頷ける。そんな熱望に応えるかのごとく、次回の『KinKi Kids どんなもんヤ!』には久しぶりに2人揃って登場するという。番組公式SNSによると、話題は堂本光一が女優・前田美波里に画像を誤爆メールした話。そして2人がお風呂について論争を繰り広げるそうだ。こうした定期的にゆるい話を楽しめる堂本剛という存在がいることもまた、堂本光一という仕事人を支えているに違いない。