佐藤結衣の『ラジオdeジャニログ』

KinKi Kids 堂本光一、コロナ禍でもブレない姿勢 ラジオで見えた“他者を受け入れるスタンス”

 KinKi Kids堂本光一が、ラジオ『KinKi Kids どんなもんヤ!』(文化放送)6月7日放送回に登場。なかなか落ち着きを取り戻せずにいる日々において、いつもブレない堂本光一の言葉が小気味よく響く回となった。

「なんか本当にもうちょっと一つになれないかなぁ」

堂本光一

 最初に届いたお便りは、コロナ禍によって手放せなくなったマスクについて。聴覚障がいを持つ方々に向けて、口元が見えるマスクが開発されたという話題だ。すると堂本光一は、口元や表情が見えないことの難しさを、言葉を覚えていく子どもたちや、舞台で演技をする自分たちにも通じていると話を広げる。

 ライフワークの一つとして舞台に立ち続けている堂本光一。今秋にも3年ぶりの上演となるミュージカル『ナイツ・テイルー騎士物語ー』を控えているが、稽古時にはマスクの存在に頭を抱えているそう。一時期は顔が見えるマウスシールドで対応していた時期もあったようだが、感染拡大予防対策徹底のために不織布マスクを着用する方針に。役者同士の顔が見えない中で稽古を続けているという。

 広い劇場で上演される舞台では、そもそも観客に表情が見えなくても伝わる演技を目指しているものの、目の前の役者の顔がマスクで隠れてしまっていては「わかってるのかな?」「できてるのかな?」と判断がつかない部分があるという。それでも今できることを着実に積み重ねているいくしかないと、いつだって思い通りに進まない状況を目の前に腐ることなくストイックに取り組んできた堂本光一。その姿に多くのファンが励まされてきた。

「この方(リスナー)がおっしゃっているように、マスクがいらない時代になってほしいですね。そのためにも、もっとみんなが一丸となれないものかなぁって気がしますけどね。なんかある意味、日本という国が自由な中に生きてて、それが仇になっている部分もあるのかな。なんかこう本当にもうちょっと一つになれないかなぁっていう思いが私的にはあります」

 未知のウイルスとの長期戦を強いられる一方で、いま目の前にいる人の表情も気持ちもどんどん見えなくなっているような感覚を多くの人が抱いているのではないだろうか。気持ちを一つにすること、遠くに感じられても私たちは同じ空間に住むファミリーであることを、堂本光一のさりげない言葉に気づかされる。

「もっと自分と闘ったほうがいいですね。相手は自分だと思いますよ」

 また、以前に比べて気楽に人と会って話すことができなくなったため、1人で悶々とした気持ちに包まれてしまうケースも多くなってはいないだろうか。

 名物コーナー「光一のドSでアドバイス」には、姉と比べて容姿も勉強も運動も就職先でも劣っていると感じてしまっているリスナーから相談が寄せられる。タイトルにある通り、堂本光一のストレートな物言いが期待されるコーナー。

 今回も「それはもう言ってる時点でダメですよ。言わんかったらいい。“姉よりも劣っている“それは、誰主観ですか?」「“できないし”って言ってる前に、“よし、できるように頑張ろう”ってすればいいじゃないですか」とズバッと答えてくれた。

 「姉と比べる必要性ないですよ。もっと自分と闘ったほうがいいですね。相手は自分だと思いますよ」とは、堂本光一が他の誰かを追うのではなく、自分の見据えた目標・限界を常に突破してきたからこそ言える言葉ではないだろうか。劣等感と向き合うためには、自分自身を超えて肯定していくしかない。改めてその体現者である堂本光一の口から放たれると、その重みが違って聞こえてくる。

関連記事