V6「over」リリースから22年ーー大根仁、「僕らは まだ」MVで捉えたメンバーの現在
V6の53枚目のシングル『僕らは まだ / MAGIC CARPET RIDE』が6月2日にリリースされる。発売に先駆けて5月11日には、avexのオフィシャルYouTubeでMVが公開された。今回のMVは、2011年公開の映画『モテキ』などを手掛けた大根仁監督。V6のメンバーから指名を受けて実現したという。V6とは本作のほかにも、V6の11枚目のシングル曲「over」など過去作品を手掛けてきた。
公開にあたって大根監督のコメントが発表され、当初はゴージャスなプランを提案したと明かした。続けて、「「今でしか出せない6人の空気感を切り取ってほしい」と、まさかの逆提案‼」と、監督も驚きのコメントを寄せていた。限りある時間の中でメンバーが託したいと思った人なのだろう。映像からは信頼によって引き出された、V6の現在のありのままを映したような表情が観られる。
5月24日放送の三宅健のラジオ『三宅健のラヂオ』(bayfm)でも、「短く編集されたものがUPされるとばかり思っていたのですが、時間を見たらフルサイズでビックリ。コメント欄も解放されていて2度ビックリでした。歌わない・踊らないMVなのが新鮮でした」と語っていた。また、大根監督との関係についても触れ、遡ること1998年2月リリースのミニアルバム『SUPER HEROES』や、2004年放送のテレビドラマ『劇団演技者。』(フジテレビ系)を紹介し、映画監督になる前からの付き合いだと明かした。
監督は、1998年11月11日にリリースされた「over」のMVを手掛けている。V6として初の両A面シングルで、Coming Century(以下、カミセン)が主演を務めたドラマ『PU-PU-PU-』(TBS系)の主題歌に起用された。作詞は20th Century(以下、トニセン)、作曲は菊池一仁、編曲は明石昌夫が手掛けた。
デビュー曲に代表されるユーロビートを取り入れた楽曲から路線を変えたのが1997年。「愛なんだ」、「WAになっておどろう」と、誰もが口ずさめるポップサウンドへシフトした頃。前作の「翼になれ」のMVがダンスシーンが盛り込まれていたが、「over」では、じっくりとメンバーの表情にフォーカスしているの特徴だ。
オレンジ色のジャケットが目を引く森田剛を中心に据え、向って右に岡田准一、左には三宅健。その斜め後ろに長野博、井ノ原快彦、坂本昌行が並ぶ。続いて、ぐっとカメラが寄り、森田、三宅、岡田の順にフォーカスすると、彼らもカメラに視線をおくる。まだあどけなさが残るカミセン。ハードめなスタイルで、若さゆえの尖った雰囲気がありつつも、寄りの映像では曇りのない瞳の輝きを捉えている。続いて、坂本、井ノ原、長野とスイッチしていくのだが、大人っぽい仕草から優しい表情をみせる。サビ前からはトニセン、カミセンが交互に並び、肩を組んで歌う。一緒に前を向いていこう、と隣で優しく微笑むような雰囲気は現在にも通ずるものがある。