SixTONES 京本大我、内面から滲み出る凛とした美しさ 立て続く表紙抜擢を機に考える

 京本の美しさを支えるのは、表現力もその一つだ。彼がデビュー前に手掛けた楽曲で、「Tears」(作曲も京本)、「癒えない」などの作品があるが、どれも繊細でリアルな心境を綴っている。歌詞をなぞるだけで情景がありありと浮かび、胸がチクっとする。

 表現力を揺るぎないものだと証明してみせたのが、アルバム『1ST』に収録の、松村北斗とのユニット曲「ってあなた」のMV。2人の歌唱もさることながら、セリフのない無音での演技にこそ実力が表れていた。女性との別れ……去ったあとに手を口元に、震えるように悲しむ京本。少し丸まった背中が哀愁に満ちていた。

 メンバーでの鑑賞会では、助手席に揺られ、悲しむ表情を見た森本慎太郎が「お前ら……どうした!」、田中樹も「俺のメンバー泣かしたヤツマジ腹立つ」と叫んだほど。これまでに舞台を中心に培ってきた表現力が光っていた。

SixTONES - ってあなた Taiga Kyomoto×Hokuto Matsumura - MV鑑賞会

 京本は誌面で「外見も内面も、どちらも美しくあれたら」と語った。バラエティ番組でドッキリを仕掛けられても、一瞬驚いてみせるも、周囲を気遣う。水一つ飲むにしても「いただいてもいいですか?」と声をかける。なんでもない咄嗟の一言に品性が宿る。いつも冷静で、しっかりと地に足のついた発言に、京本の芯の強さを感じる。

 デビュー前、ジャニー喜多川氏との対話で、グループよりは個人活動の方が向いているのでは、という話になったことも明かしている。一度は自分でもそう心に決めて邁進した。その経験がのちにグループでも発揮され、存在感へと繋がっている。

 そんな京本の凛とした姿勢がほころぶときーー。6歳のときから好きだという『名探偵コナン』の話題になると、顔をほころばせる愛らしい一面も。デビュー直前にメンバー全員で出演した『おしゃれイズム』(日本テレビ系)では「(コナンのためなら)なんでもやります!」とMCのくりぃむしちゅー 上田晋也に訴えたほど。最近も、4月16日公開の劇場版『名探偵コナン 緋色の弾丸』 に向けて、会員向け有料ブログで公開を心待ちにする投稿をしたばかり。

 また、大好きなトマトも同様。ラジオ番組『SixTONESのオールナイトニッポンサタデースペシャル』(ニッポン放送)で、「今週のトマトニュース」と題して番組をジャック。ヒグマがトマトを食い荒らしたというニュースを伝えた回では、クマと自分との共通点を見出し“くまもと大河”を名乗ったり、ゲスト出演を誘うなど思わぬ展開をみせたことも。好きなことになると暴走してしまう可愛らしい一面をのぞかせる。

 SixTONESの楽曲がそうであるように、年齢も性別も関係ない、既存の枠組みに収まらないのは「NEW ERA」を掲げた彼ららしいところだ。ジェシーの髪色が寒色系だから暖色系にしていると、メインボーカルらしいこだわりも明かした。「髪色に頼るやつに限って実力がない」ーー冗談半分で言われた恩師の言葉を紹介していたが、いまはきっと自分を主役に、ヘアカラーやスタイルは演出の一部に過ぎない位置づけではないだろうか。

 4月23日発売の『Mgirl 2021SS』でも表紙を飾ることが発表されている京本。次はどんな表情をみせてくれるのだろうか。きっとまた時に力強く、時にやさしく表情を変えるその瞳に惹きつけられるのだろう。

<参照>
※1『Myojo』2021年5月号

■柚月裕実
Web編集者/ライター。企画、担当編集、取材・執筆してます。
日本の男性アイドルの頑張りを見ては涙する30代。
始まりはSMAP中居さん。 KAT-TUN、NEWS中心の事務所担。年中HDDの整理と原稿書きに追われています。

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