LUNA SEA、さいたまスーパーアリーナで確かめ合った“ファンとの絆” 豪華な演出で魅せた2日間

 3月27日、28日の2日間にわたり、『LUNA SEA -RELOAD-』がさいたまスーパーアリーナで行われた。昨年12月、真矢(Dr)の新型コロナウイルス陽性判明により延期を余儀なくされていた本公演は、LUNA SEAにとって実に13カ月ぶりのステージであった。今回のライブは新型コロナウイルス対策による換気のため、2日間ともに2部構成で行われた。1部では、最新アルバム『CROSS』を中心としたセットリストで最新のLUNA SEAの魅力を余すことなく堪能でき、2部では90年代の名曲も含むシングル曲を立て続けに披露。会えない期間が長かっただけに、メンバーの気合いやファンの熱量も凄まじかった。本記事では、2日間の公演をダイジェストで届けたい。

 開演前のアナウンスが流れると、メンバーの登場を今か今かと待ち焦がれるフロアから手拍子が沸き起こる。期待に満ちた空気の中で暗転し、異国ムード漂うSEが流れると、激しいライトがアリーナ中を照らし出し、5人が1人ずつステージに現れた。大掛かりなセットはなく、演出もライトやレーザーのみのシンプルなスタイルである分、メンバーの存在感が引き立っている。久しぶりのステージの幕開けは、最新アルバム『CROSS』の1曲目を飾る「LUCA」だった。どこまでも通るRYUICHI(Vo)の歌声と、浮遊感溢れるSUGIZO(Gt)のギターの音色が美しいハーモニーを響き渡らせる。待ちわびたLUNA SEAの音を堪能するかのように、オーディエンスは右手をステージに伸ばしていた。続く「Déjàvu」のイントロが始まると、早くもフロアのテンションは急上昇。そんな姿を見てか、クールなJ(Ba)も笑顔を見せ、INORAN(Gt)とSUGIZOは悪戯な表情や投げキッスでカメラ越しに配信を見ているファンへアピール。完全復活した真矢もキレの良いリズムを全力で刻む。

 MCパートでは、RYUICHIが「人と人との距離は離れているけど、俺たちの音楽は決して俺たちを離さなかったし、みんなにだって前よりも愛しさや会いたい気持ちが増している。だから俺たちは離れていないんだよ」と音楽と愛するファンへの想いを伝えた。心地よい疾走感の「Closer」では、〈何より大切な世界が こんな近くでキラめいた/ただ守りたい そう思う夜〉というサビの歌詞が、今この瞬間アリーナにいる全員の心の中を代弁しているかのように感じられる。続く「PHILIA」は、RYUICHIの身を削るような絶叫シャウト、SUGIZOによる超絶技巧のギターソロ、そしてJのピアノ演奏という贅沢すぎるパフォーマンスを立て続けに魅せ、アリーナ中を痺れさせた。そして「宇宙の詩 ~Higher and Higher~」「静寂」で壮大な世界観の中にオーディエンスを誘い、1日目は切なさの中に温もりを感じさせる「悲壮美」で、2日目は美しい旋律に圧倒させられる「THE BEYOND」で、1部のステージを締めくくった。

 ベートーヴェンの「月光」が流れる重厚な空気の中、突如始まった「LOVELESS」で2部が開幕。七色のレーザービームが飛び交う神々しい雰囲気の中、メンバーが再び登場すると、割れんばかりの拍手が沸き起こる。SUGIZOが3本ネックのギターでイントロを奏でると、歓声こそ聞こえないものの、会場の空気が一気に熱を帯びたのが感じ取れた。高まったボルテージをそのままに「BELIEVE」へ突入するとさらにフロアはヒートアップし、オーディエンスのジャンプでアリーナが揺れる。SUGIZOはステージを駆け回り、INORANとRYUICHIはステージのセンターで無邪気な少年のように笑い合っていた。さらにこの後、1日目は「STORM」「TRUE BLUE」「IN SILENCE」、2日目は「DESIRE」「SHINE」「gravity」と怒涛の勢いでキラーチューンを飛ばしていく。タイトルコールやイントロが聴こえる度、オーディエンスは悲鳴をこらえるのに必死で、拳を何度も突き上げたり、隣の人と顔を見合わせて笑い合ったり、首からかけたタオルをギュッと握りしめたりと、思い思いに喜びを嚙みしめていた。そんなオーディエンスたちの想いを受け止めるかのように、極上のバラード曲「I for You」がメンバーから贈られた。

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