ENHYPEN、SEVENTEENからBTSまで……キャンペーンフィルムから見えたレーベルメイト6組のカラー

 今回、とくに注目を集めたのが、TOMORROW X TOGETHERの「I believe in Pineapple Pizza」ではないだろうか。他のグループとあまりにも毛色が違うため、「どういう意味?」とSNSでも多くの反響があった。「IT'S OK TO SAY "NO" TO PINEAPPLE ON PIZZA」という、“イヤなときはイヤと自分の意見を言ってもいい”のようなメッセージが込められているのでは、との声もあるが、真相はわからない。ただ、グループ名に「互いに異なる自分と相手が1つの夢のために集まり、共に明日を築き上げていく」という意味が込められていることや、今回の映像が今までの彼らのイメージを覆すような、ポップで少しギラついた衣装だったことから、“何色にも染まらずに個々を尊重していく”意志のようなものを表現したかったのではないだろうか。一発撮りで人気のYouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」に出演したこともあり、日本でも着々と人気を獲得している彼らは、「BTSの弟分」という肩書きから脱皮し、「TOMORROW X TOGETHER」という新ジャンルを確立していくだろう。

 そして最後を飾るのは、BTS。コロナ禍により世界ツアーを断念せざるをえない状況の中、直接会うことは叶わずともSNSや各メディアを通じて常にARMY(BTSファンの総称)に愛を届けてくれた彼らが信じているものは、“CONNECTION”。これはおそらく、世界中のARMYが納得だったのではと思う。グラミー賞でパフォーマンスをするほどの世界的な地位を確立した今でも、昔と変わらずARMYのことを1番に想い活動してくれている彼らだからこその答えだ。VやJINが白黒のスクリーンからメンバーのいる現実世界へ入っていく様子は、たとえスクリーン越し(オンライン)だろうと、BTSとARMYが繋がっていることを表現しているのではないだろうか。また、JINとJ-HOPEが指と指を合わせたり、おそらく撮影時にはまだ休養中だったSUGAの名前も出てくることから、メンバー同士の繋がりも大切にしていることも表現していそうだ。ただ、映像の途中でJ-HOPEが言うように、なぜJUNG KOOKが大きくなっていたのかは謎に包まれている。

 今回の「WHAT DO YOU BELIEVE IN?」キャンペーンは、私達に生き方や価値観を見つめ直すきっかけを与えてくれた。BTSの「Love Myself」キャンペーン然り、今やアーティストは音楽やエンターテインメントを届けるだけの存在ではなくなってきている。今後、Big Hit Labels(HYBE LABELS)所属の各グループがどんな活躍を見せてくれるのか、期待して待っていよう。

■紺野真利子
エンタメ系ライター。JO1やジャニーズグループのインタビュー記事を中心に、雑誌『CHEER』『週刊TVガイド』などで執筆。
Twitter(@mariri_901820)

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる