流線形/一十三十一が選ぶ、「おすすめのシティポップアルバム(アナログ盤)」 『Talio』との関連性を紐解く

 大瀧詠一の名盤『A LONG VACATION』(1981年)の40周年をきっかけとして、再び大きな注目を集めている70年代〜80年代のシティポップ。その系譜を受け継ぐ作品の一つが、流線形/一十三十一の『Talio』。昨年放送されたNHK総合ドラマ10『タリオ 復讐代行の2人』(主演:浜辺美波、岡田将生)のオリジナルサウンドトラックとして制作されたアルバムだ。

 昨年11月にCDリリース、ストリーミング・ダウンロード配信された本作のLPアナログ盤が3月24日にリリースされる。ジャケットのイラストはCDと同じく、『A LONG VACATION』のジャケットを手がけた永井博。リゾート感覚の洗練されたビジュアルは、『Talio』が描き出す世界と完璧に重なっている。

 ドラマの音楽プロデューサー・岩崎太整(Netflixオリジナルドラマ『全裸監督』、映画『俺物語!!』など)の「スタイリッシュなドラマだから、劇伴はシティポップにしたい」というオファーにより、一十三十一、流線形(クニモンド瀧口)のコラボレーションが実現した本作。LPアナログ盤のリリースに際し、一十三十一、クニモンド瀧口に「おすすめのシティポップアルバム(アナログ盤)」をセレクトしてもらった。二人のコメントをもとにしながら、アルバム『Talio』との関連性を紐解いてみたい。

 クニモンド瀧口が選んだのは、『SHOGUN』(SHOGUN)、『キャラメル・ママ』(ティン・パン・アレー)、そして、ドラマ『祭りばやしが聞こえる』のオリジナルサウンドトラック。

 SHOGUNはギタリストの芳野藤丸を中心に、スタジオミュージシャンを集めて結成されたバンド。沖雅也主演のドラマ『俺たちは天使だ!』(1979年)の劇伴として制作されたのがアルバム『SHOGUN』だ。主題歌「男達のメロディー」は50万枚を超えるヒットを記録した。

「ドラマの“復讐代行人”という設定を聞いたときに浮かんだのがTVドラマ『俺たちは天使だ!』でした。SHOGUNが演奏する主題歌のイメージは、『金曜日のヴィーナス feat. 堀込泰行』にも活かされてます」(クニモンド瀧口)

 ティン・パン・アレーは、細野晴臣、鈴木茂、林立夫、松任谷正隆を中心にしたプロデュースユニット。荒井由実『ひこうき雲』(1973年)、吉田美奈子『扉の冬』(1973年)など、日本のシティポップの原点とも言える作品をプロデュースしたことで知られる。1stアルバム『キャラメル・ママ』には、荒井由実、矢野顕子、南佳孝、後藤次利、高中正義、山下達郎など錚々たるメンバーが参加。若き凄腕ミュージシャンたちのヘッドアレンジから生まれたアンサンブルは、いま聴いても絶品だ。

「(『Talio』は)都会的で洗練されたサウンドを演奏する集団ティン・パン・アレーのように、セッションから生み出されるバンドサウンドを目指して劇伴を制作しました」(クニモンド瀧口)

 萩原健一の主演ドラマ『祭りばやしが聞こえる』(1977年)のOSTは、ドラマ『傷だらけの天使』の劇伴を手がけた大野克夫が担当。柳ジョージが歌った主題歌「祭りばやしが聞こえる」も大ヒットを記録した。

「デイブ・グルーシンを彷彿させるような都会的で洗練されたサウンドはDJ達にも人気。『Talio』の劇伴にも影響を受けました」(クニモンド瀧口)