Sexy Zoneが歩んだ濃密な10年 『SZ10TH』を経て新たな時代を創る

 2021年、デビュー10周年イヤーに突入したSexy Zoneが、3月3日に10TH ANNIVERSARY ALBUM『SZ10TH』(読み:エスズィーテンス)をリリースした。

Sexy Zone

 2011年11月16日リリースのデビューシングル「Sexy Zone」よりはじまるポニーキャニオン時代のシングル曲から、昨年3月のTop J Recordsへ移籍後の「RUN」「NOT FOUND」を加えた23曲(両A面を含む)に、新曲「RIGHT NEXT TO YOU」、「Change the world」の2曲を加えた全25曲収録と、シングルCDを余すことなく詰め込んだスペシャルなラインナップだ。

 新曲の一つである「RIGHT NEXT TO YOU」は、全編英語詞のダンスナンバーで、一皮も二皮もむけたダンスで魅了する。Johnny's official YouTubeチャンネルでは2月17日に「RIGHT NEXT TO YOU」(YouTube ver.)、続く22日には「DancePracticeVideo」が公開され、いずれも100万回再生を突破した。洗練されたサウンドにのせ、キレと滑らかさを自在に操るシンクロダンス、巧みなフォーメーション。無論、レッスンを重ねたのだろうが、10年のキャリアが生み出す“阿吽の呼吸”ならぬ“Sexyの呼吸”を感じた。

Sexy Zone「RIGHT NEXT TO YOU」(YouTube ver.)

 Sexy Zoneの10年ーーそれは激動とも呼べる濃密な時間だったことだろう。平均年齢14.2歳でデビューを飾り、一時はグループの再編が行われたこともあった。ただでさえ多感な思春期に土台となるはずのグループの揺らぎ。学業との両立やメンバー間のこと……。

 「いつから、大人だったんだろう?いつまで、子どもだったんだろう?」とは、『Sexy Zoneの進化論』(スカパー他)の番組HP(※1)に掲げられた言葉だ。誰もが通る子どもから大人へと移行期を芸能界に身を置き、10代ならではの尖った時代を経て、メンバーをフォローし合い、歩みを止めることなく前を向く。彼らの姿勢には学ぶことが多い。しかも、のちに当時の心境を言葉にして語ってくれる。誠実で素直で、そんなところもSexy Zoneらしい。

 デビューを夢見て奮闘するジャニーズJr.からみれば、いわゆるエリートコースと呼べるものだろう。一方で当事者にしかわからない苦悩も語られてきた。菊池風磨は、昨年12月放送の『すこジャニ~ルールだらけの旅~』(フジテレビ系)で、先輩・後輩に囲まれてステージに立ち、自分だけがデビューしてしまうと涙した、当時の複雑な心境を語った。

 インパクトの強い楽曲を多く持つSexy Zone。今回のアルバムに収録されるもう一つの新曲が「Change the world」。10年間支えてくれたファンへの想いを込めてメンバーが作詞した楽曲だ。白いスーツ姿で一輪のバラを持っていたデビュー当時。頬がふっくらとして、あどけない表情だった。10年の時を経て、衣装もよりラグジュアリーに、かつコンセプチュアルなものへと進化。和洋折衷、ダンスに殺陣にと様々な文化を取り入れて独自の世界を打ち出す。グループとしての楽曲はもちろん、中島健人を筆頭にソロ曲も随分と様変わりした。10代にしか出せない新鮮さを経て、20代ならではの大人の世界へと進む。

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