『CONNECTED OVER THE DIMENSION コンピレーションCD』インタビュー

春猿火×KMNZが語り合う、バーチャルラッパーとしての野心「Vアーティストへの偏見を音楽で取っ払っていきたい」

KMNZと春猿火のコラボは生ハムメロン(LIZ)

3D - Three Dimension / KMNZ × 春猿火

ーー実際にレコーディングしてどうでしたか?

春猿火:誰かとレコーディングすること自体が初めてで、人がレコーディングしているところを生で見るのも初めてだったので、それも含めて新鮮な体験でした。歌うだけじゃないところでも勉強になりましたね。

LIZ:春猿火ちゃんの歌唱力に圧倒されて、私たちも緊張感がすごかったです。恥ずかしい姿を見せないようにしなきゃと思って、ガチガチでした。

春猿火:でも、めちゃくちゃ格好よくなりましたよね。3人が合わさるとこうなるという発見もあって、とにかく全員の声を楽しんでほしいです。

LIZ:たとえるなら生ハムメロンみたいな感じ(笑)。「大丈夫か? それ合うんか?」と思っていたけど、食べてみたらめちゃめちゃ美味しかったみたいな感じ。と言いながら、私は生ハムメロンが食べられないんですけどね(笑)。

春猿火:たとえるくらいなら、そこは食べれてほしかった(笑)。

ーーその「3D ‒ Three Dimension」のMVも展示された、『CONNECTED OVER THE DIMENSION』の展示はどうでしたか?

LITA:KMNZをここまで大々的に押し出してくれるんだと思って、ありがたかったです。道に面した窓にも、めちゃくちゃでかいKMNZのポスターを貼ってくれて。他人ごとみたいだけど「すげえじゃんKMNZ!」って思いました(笑)。渋谷というド都会の真ん中に、あのサイズの自分がいたら、それはもう誰でも感動しますよ。

LIZ:ド都会に自分たちがいて、実際にVTuberのことをあまり知らない人たちに、知ってもらえる機会になっていたと思います。ファンの方が見にきてくれたのもあるけど、窓にうちらがデカデカといるから「何これ?」っていう感じで、興味を持って入ってきてくれた方もけっこうたくさんいて。

春猿火:私たちで仲良く1枚のTシャツにサインしたものも展示されましたよね。

LITA:そうそう。サインTシャツは途中から展示されたんですけど、最初のほうに1度見にきてくれた人が、そのサインを見るためにもう1度きてくれたこともあって、すごくうれしかったです。

ーーコンピレーション『CONNECTED OVER THE DIMENSION』では、お互いのカバー曲も新録しています。春猿火さんはKMNZさんの「VR - Virtual Reality」、KMNZさんは春猿火さんの「オオゴト」をカバーしています。

春猿火:すごく考えたんですけど、KMNZさんを聴くきっかけになった最初の曲で、私が一番好きな曲を歌おうと思って「VR - Virtual Reality」を選曲させていただきました。KMNZさんは2人組ユニットなのでかけ合いが多くて、それを1人で歌えるのかなって思ったんですけど……。

LIZ:格好よくて全然違う曲に聴こえたよね。

LITA:うん。それに春猿火ちゃん節は抑え目で、KMNZに寄り添ってくれた感がめっちゃ伝わってきた。原曲をリスペクトしてくれていることが伝わって、すごく良かったです。

春猿火:ありがとうございます。リスペクトが伝わってうれしいです。

ーー双方のファンの反応も良いですね。

LIZ:カバーされることをファンに告知した時も、「春猿火の『VR』聴けんの!」って。「KMNZが『オオゴト』ってマジか!」って大騒ぎになったよね。

LITA:特に春猿火ちゃんが「VR」を歌うのは、私も意外だったし。そもそもこの2組がお互いの曲をカバーすること自体が、誰も予想していなかったし。「KMNZの声で『オオゴト』ってどうなるんだろう」って、お互いのリスナーが興味津々になっていたから、「早く聴いてほしい」ってずっと思っていました。

ーーKMNZさんが「オオゴト」を選んだ理由は?

LITA:LIZちゃんが選んでくれたんだよね。

LIZ:春猿火ちゃんの曲をいろいろ聴いていたんですけど、「オオゴト」は歌のパートとラップのパートがギュッと詰まっていて、この曲を2人で歌ったら楽しいだろうなって想像できたんです。ハモる部分もあって、2人の個性が良い具合に重ねられるんじゃないかと思って選びました。

LITA:ナイス選曲だと思ったよ。

LIZ:ありがとう。KMNZではああいう曲を歌うことは少ないんですけど、自分たちの色も出せたし、「めっちゃいい感じに仕上がったんじゃねえかな」と思っています(笑)。

LITA:いつもは自分やKMNCREWが書いたものを歌うから、ラップのフロウが何となく決まってきてしまうんですね。この言葉がきたらこう歌うみたいな。でも身内じゃない人が作詞しているから、KMNZの曲には出てこないような言葉もたくさん出てきて、それを歌うのは刺激があったし楽しかったです。

ーー今後もいろいろなアーティストの方とコラボやカバーはやりたいですか?

LITA:うちらはきてくれるだけでうれしいので、どんな方でもウェルカムです。ラップできる人だったらよりいいなと思いますけど、そもそもバーチャル界隈にはあまりいないので……。

春猿火:私もお話をいただけるのならリアルでもバーチャルでも、どちらからでもウェルカムです。

LIZ:今回は私たち2人と春猿火ちゃん1人で、2対1だったから、2組の人と2対2でやるのも面白いかも。

LITA:確かにそういうのもあるね。

春猿火:私は、私のメインコンポーザーを務めてくださっているたかやんさんと、歌では一緒に何かをしたことがなくて。1曲の中に私とたかやんさんのラップが詰め込まれたら、どうなるんだろうという興味がずっとあります。

LITA・LIZ:それ絶対いい、聴きたい!

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