GENERATIONS「雨のち晴れ」で歌う“踏み出すことの大切さ” カップリングでも際立つ数原&片寄のボーカル
また、音色と同じくビートに関しても☆Taku Takahashiが得意としている小気味よい2ステップや、サビ後半でのメロディの疾走感をさらに増強させる4つ打ちなど、「One in a Million -奇跡の夜に-」にあった多数の要素が再構築されているため、あらゆる面からこの曲が“第二章”的楽曲であることが伺える。のみならず、今回はパフォーマー・関口メンディーのラップパートなどを通して先述した他にも多彩なビートが取り入れられており、魅力的な側面を強めた“踊らせる”曲へと進化している。
そして、この「A wish for you -キミを願う夜-」や「One in a Million -奇跡の夜に-」のようなハウスを基調としたポップソングで特に際立つのが数原龍友・片寄涼太の歌唱力だ。片寄は特にこういった音色とは相性が良く、全体的に言葉数が多いフレーズの中でも彼の儚げな声色が響くことで、ひたむきな恋愛を描くボーカルラインに深い“切なさ”が添えられる。一方、数原の明瞭かつ深みのある歌声も、片寄と同じく複雑に変化するリズムに心地よく調和しながら、巧みな節回しでフレーズ一つひとつをエモーショナルに聴かせる。テンポも音楽性も大きく異なる2曲のポップソングが同梱されていることで、ポップシンガーとしての2人の二面的な魅力が引き出されているという点もまた、今作の面白さの一つと言えるのではないだろうか。
先日はパフォーマー・白濱亜嵐のドラマ初主演も発表されるなど、各メンバーが多方面で日々活躍しているGENERATIONSだが、グループとしての人気の根幹たる理由はやはり様々な楽曲を通して高められた表現力である。『雨のち晴れ』はそんな彼らが改めてポップミュージックと向き合うことで、その担い手としての実力を示すシングルとなった。
■日高 愛
1989年生まれの会社員。