IZ*ONE、グループ誕生から現在までの歩み 第1回:『PRODUCE 48』“100日間の戦い”でみえた個性

 厳しいオーディションを経て、個性あふれる12人の女性(チャン・ウォニョン、宮脇咲良、チョ・ユリ、チェ・イェナ、アン・ユジン、矢吹奈子、クォン・ウンビ、カン・ヘウォン、本田仁美、キム・チェウォン、キム・ミンジュ、イ・チェヨン)が集結。活動スタート後はクオリティの高いサウンドとパフォーマンスで男女を問わず幅広い世代を魅了し続けるガールズグループ・IZ*ONE(アイズワン)。4月に活動終了を予定している彼女たちのこれまでの歩みを振り返りながら、国境を超えて愛されたグループの独自性や日韓の音楽シーンに与えた影響に迫りたい。

 「キーワードは“グローバル”。世界を相手に活動するグローバルガールズグループをみなさんの手で作り上げてください!」

IZ*ONE『One-reeler / Act IV』

 AKB48グループの協力を得て韓国エンターテインメントチャンネル・Mnetが企画したオーディション番組『PRODUCE 48』は2018年6月15日、司会を務めるイ・スンギ(歌手/俳優)の力強いコメントで幕を開けた。

 この企画は、韓国で最も人気のあるオーディション番組『PRODUCE 101』シリーズの第3弾となるもの。国籍不問だが、日本サイドはAKBグループ所属者のみ、韓国サイドは芸能事務所の“歌手の卵”およびプロデビュー経験者が参加できる。 番組ではさまざまなバトルに挑戦する96人の参加者たちの奮闘ぶりを紹介していく。放送後、“国民プロデューサー”と呼ばれる視聴者が最後まで残ってほしい女性に投票することで人気ランキングが決定。それを元にバトルの結果を加味した上で数回の脱落者発表が行われ、最終回でIZ*ONEとしてデビューする12人が発表されるという流れだ。

 放送が始まった途端に早速ユニークなキャラクターをアピールしたのが、チェ・イェナである。次々と会場に入ってくる候補者たちに対していちいち反応する彼女に注目した人は多いだろう。長身の女性を見ると「(背が高くなるには)牛乳じゃだめかな? 生まれ変わらないとだめ?」とコメント、モデルのような美女を可愛いと言う仲間には「もしかして顔で友達を選んでる? だからやたらと私に友達アピールしてたの?」とジョークを飛ばす。だが彼女はそれだけではない。舞台の上ではしっかりと実力を発揮。番組の最後ではガールクラッシュ的な魅力を振りまいて正式メンバーの座を勝ち取っている。

 チェ・イェナが「かわいい!」と思わず叫んだ2人、アン・ユジンとキム・ミンジュも最初から目立つ存在だった。どちらもすでに芸能活動の経験があり、アイドルになるために生まれてきたようなオーラを放っていた点でライバルとの違いを見せつけている。彼女たちの場合、ビジュアルだけでなく歌手としての才能・センスも強くアピールできたことが選抜された理由のひとつに違いない。

 努力家と言えば、イ・チェヨンとチョ・ユリが思い浮かぶ。確かな実力を持ちながらもプロになるチャンスを逃してきたイ・チェヨンが、課題曲を通して徐々にコンプレックスを取り払っていく姿に多くの視聴者が共感。チョ・ユリはあどけないルックスからは想像できないほど大人びた歌唱力を持つものの、最初のレベル分けでは最下位のクラスに。2人ともにめげることなく努力する様子が得票数につながったと言えよう。

 クールでマイペースに見えても内に秘めた情熱を感じさせるカン・ヘウォンも残るべくして残ったタイプである。正直なところ最初は地味な印象だったものの、番組後半の投票では上位にランクイン。「自分のパートを堂々とこなせるようになった」と自ら語る通り、視聴者もその変化を評価して一票を投じたはずだ。

 Woollimエンターテインメントのクォン・ウンビとキム・チェウォンは安定感のある候補生という印象だ。特にキム・チェウォンは歌もダンスも一定のレベルをキープしていたように思う。クォン・ウンビも“バランスキャラクター”と周囲から言われるほど、どの面においても優秀だった。所属事務所の仲間・LOVELYZも欠点があまりないイメージがあるが、これはWoollimのカラーなのだろうか。

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