DEEP SQUAD メンバー分析【入門編】Vol.3:KEISEI

DEEP SQUAD KEISEI、丁寧かつ深みのある甘いボーカル フレッシュな感性でグループを盛り上げるムードメイカーの役割も

 さらに2009年、新生COLORはATSUSHIのもとを離れ、セルフプロデュースで活動していくことを発表すると、グループ名も「より深く音楽を追求していきたい。応援してくださる皆さんと深い絆で繋がり、深い愛・夢・幸せを一緒に分かち合っていきたい」(引用:EXILE mobile)という想いを込めて“DEEP”に改名。RYOがグループを卒業する2018年まで、この4人ならではの美麗なハーモニーを届けてきた。とはいえ、メンバーが減ったからといって彼らが歩みを止めることはなく、2019年、10周年を迎えたDEEPは、新たなメンバーを求めて『DEEP VOCALIST AUDITION』を開催。約12,000人の中から選出された宇原雄飛、杉山亮司、比嘉涼樹をメンバーに迎え、ボーカリストによるエンタテインメント集団「DEEP SQUAD」を結成。2020年7月22日、シングル『Get With You』でメジャーデビューした。

DEEP SQUAD "Get With You"ミュージックビデオ

 コーラスグループでありながら、あくまでも“全員がボーカリスト”というスタイルで活動するDEEP SQUAD。通常コーラスグループというと、主旋律を歌うリードボーカルと副旋律を歌うバッキングボーカルに分かれているが、1曲の中で主旋律を歌う人が次々に切り替わり、各メンバーの歌声をたっぷり堪能できるところが彼らの魅力だ。その中でKEISEIの持ち味は、安定感のある甘い歌声と、一言一言丁寧に音にはめていくようなボーカリング。DEEP SQUADのデビュー曲「Get With You」でも、彼の細かく跳ねるような歌声が、新体制で歩み始めた6人の軽やかな足取りを感じさせている。なお、ルーツとなっているブラックミュージックとの出会いは、2001年、音楽番組『HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP』でBoyz II Menが「Thank You In Advance」を披露した際に衝撃を受けたことがきっかけ。COLOR時代にはBoyz II Menとのコラボ曲「Can We Fall In Love」も発表しているが、アーティストになる夢を叶えてからも「容姿は変化していきますが、声が劣化してないですし、むしろ当時よりも大人の余裕が出て、どんどん良くなって進化している」(引用:DEEPが提示する、ボーカルグループの新スタイルとは?「より音楽性の高いものを日本語で伝えていく」)というBoyz II Menのような歳の重ね方を理想としている。その理想通り、2018年には、同年に結婚した自身の経験をもとにプロポーズソング「Celebrate」をプロデュース。30代男性としての等身大の想いを曲と歌声に乗せることで、デビュー当時よりも深みが増したDEEPを表現した。“男女でライブに来るとカップル成功率が99.9%”というジンクスを持つDEEPだが、この曲はそんなカップルの距離を一段と近づける楽曲となっている。

DEEPのプロポーズソング "Celebrate" ここまで見捨てないでくれてありがとう。

 KEISEIのキャラクターは、“良い意味で”適当なムードメーカー。付き合いの長いTAKAからは「明るい性格で人懐っこいし、一番の盛り上げキャラ」、元メンバーのRYOからは「KEISEIは感性が人と違うことがあるんですよ。突発的なアイデアもふと思いついたりと、掴めないことも多い」(引用:ザテレビジョン)と紹介されている。また、年下の比嘉涼樹が「フレッシュな感性を持っていると思いますし、フランクに近い距離感を保ってくれるんです」(引用:DEEP SQUAD、6人が一つになった新曲「Good Love Your Love」を語る 「この年齢差をチームの強みにできたらいい」)と語るように、オリジナルメンバー3人の中では最年少ということで、新メンバーにとってはお兄さん的存在だ。グループでの活動はもちろん、グループ外でも『EXILE TRIBE 男旅』やLDHの草野球チーム「中目黒リュージーズ」(CLで配信中)での振る舞いが面白いと評判のKEISEI。太陽のように明るい彼に照らされ、ますます個性を開花させていくDEEP SQUADに注目だ。

■斉藤碧
エンタメ系ライター。
ダンス&ヴォーカルグループ、アイドル、ロック、ヴィジュアル系、俳優などジャンルレスで執筆中。V系雑誌「Stuppy」では編集も担当。
Twitter:@stmdr38

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