OWV「Ready Set Go」も手掛ける気鋭の振付師チーム LOOK SEVENTEEN、Wanna Oneらの楽曲から見る魅力と特徴
ボーイズグループとの仕事が多いLOOKだが、その人数やアーティストカラーによって振付でもさまざまなニュアンスを表現している。たとえばアグレッシブなパフォーマンスで知られるニューカマー・Stray Kidsの楽曲では、やはりフォーメーションを細かく変えながら先述の「CALL CALL CALL!」のようにインパクトのある大振りをサビに配している。
LOOKとのコラボが多かったWanna Oneの「Spring Breeze」などはしっとりとしたセクシー感を放つ楽曲だが、やはりフォーメーションチェンジの美しさが一目瞭然だ。解散後にソロデビューしたパク・ジフンやパク・ウジン&イ・デフィらが再スタートを切ったAB6IXも引き続きLOOKに振付を依頼しており、強い信頼関係がうかがえる。
そしてLOOKが振付を手掛けた中でも、キャリアを重ね大人の魅力を醸し出しているのがEXO。「The Eve」はスローテンポの楽曲ゆえにニュアンスをどう付けるかがポイントといえる楽曲で、スピード感のある楽曲よりもユニゾンの見せ方など格段に難易度が高いのだが、このダンスショットには貫禄すら漂う。
最後に、現状のLOOK作品としてはレアといえるのが昨年デビューした女性グループ・Weeeklyの「Tag Me」。キュートな動きを1曲の中にぎゅっと詰め込んだ構成や、万華鏡のように変化を見せていくフォーメーションに他作品と同じDNAが感じられるのではないだろうか。
構成の複雑さなど、ライブでパフォーマンスするにはややハードな要素が多いともいえるLOOKの振付。しかし先述のOWV「Ready Set Go」への参加が発表になったタイミングで「ファンの癖という癖を熟知したアサシンみたいなチーム。期待しかない」といった声もいち早く上がっており、K-POPファンからもその動きに熱い視線が向けられている。今後のK-POPシーンでの活躍はもちろん、日本のグループとの次なるコラボについても期待したい。
■古知屋ジュン
沖縄県出身。歌って踊るアーティストをリスペクトするライター/編集者。『ヘドバン』編集を経て、『月刊ローチケHMV』『エキサイトBit』などで音楽/舞台/アートなど幅広い分野について執筆中。