円神、7ORDER、TFG……歌×ダンス×芝居などで見せる”表現集団”としてのボーイズグループの躍進
続いて紹介するのは7ORDER。「Happyをみんなで作りあげていく」をモットーとし、それぞれの強みを活かしたジャンルレスな活動を行っている。歌・ダンス・演技という3つの軸を押さえていることはもちろん、アートやファッションなどにも積極的。ロゴの制作やステージ衣装のプロデュースなど、可能な限りセルフプロデュースで行っている。
また、バンド演奏を得意としているのも強みのひとつだ。これまで培ってきたパフォーマンス力は伊達じゃない。グルーヴィーな演奏を展開すると共に、ステージ上で魅せる動きも難なく行ってしまう。既存の“ボーイズグループ”という枠にとらわれることなく、ロックフェスティバルなどの出演にも期待が高まる。
ラストを飾るのは、“五感”をコンセプトとした新感覚アーティストグループであるTFGだ。多くの場合は、ボーイズグループとして活動するなかで俳優業へ手を伸ばしたりするものだが、彼らの場合は逆のルーツをたどっている。元々2.5次元俳優としてのキャリアを持つプレイヤーが、歌やダンスといった音楽分野へ進出しているのだ。だからこそ、ライブにおいても歌って踊るだけでなく、台本の朗読という形で芝居を展開。演技という強みを活かし、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚をハックしていくユニットこそTFGなのである。
日夜、進化をしていくボーイズグループ。歌とダンスだけに限らず演技まで手を伸ばすことは、間違いなく彼らの可能性を広げてくれることだろう。相乗効果によって、さらに磨かれたパフォーマンスを目にするのが楽しみだ。
■坂井彩花
ライター/キュレーター。1991年生まれ。ライブハウス、楽器屋販売員を経験の後、2017年にフリーランスとして独立。Rolling Stone Japan Web、EMTGマガジン、ferrerなどで執筆。Twitter