須田景凪が「刹那の渦」に込めた願い 本人インタビューから紐解く、バルーン時代から一貫する表現への眼差し

須田景凪が「刹那の渦」に込めた願い 本人インタビューから紐解く、バルーン時代から一貫する表現への眼差し

 須田景凪が、新曲「刹那の渦」のMVを公開した。

 2021年2月3日に発売するメジャー1stフルアルバム『Billow』に収録されるこの曲。「渦を巻く」というアルバムタイトルの持つ意味に照らし合わせて考えても、新作を最も象徴する一曲と言えるだろう。

須田景凪「刹那の渦」MV

 先日筆者が行ったインタビューでは、須田はアルバム制作過程で「最初に思い浮かべていたコンセプトをもう一度考え直さなきゃいけないと思った」と語っていた。COVID-19のパンデミックによってがらりと変わってしまった世界に対して、彼が見たこと、感じたことを、音楽を通して形にする。そういう表現者としての強い欲求が彼を突き動かしたのだという。

「いろんな価値観が表に出てきている。いろんな人がいろんな価値観を見直すことになっている。自分も家にいるときにそういうことを考えざるを得なくて。その中で一番しっくりきたタイトルが『Billow』だったんです。『渦を巻く』という意味なんですけど、今はいろんな状況の中で、いろんな考え方が渦を巻いている状態だと思って。そういうところで、今、形にできるアルバムはこういうものになると思って作っていきました」

 アルバム収録曲の中でも、特にそれが前面に出ているのが、10月に先行配信リリースされている「飛花」と、この「刹那の渦」だ。「失われてしまったもの」を散りゆく花に喩えて描き、疾走感あふれるビートと絞り出すようなシャウトが印象的な「飛花」。過去を振り返る描写が気だるい浮遊感のある曲調とあいまって不思議な余韻を残す「刹那の渦」。この2つは、同じモチーフをもとにした、いわば呼応する関係を持つ2曲になっている。

「聴いた人の解釈におまかせはするんですが、『飛花』はコロナの影響を受けて、コロナに関して思うことを書いた曲です。いろんなものが崩れてしまって、いろいろなことを考え直す必要があった。その考えを全て詰め込もうと思って書きました。意思表明のような位置づけになったかもしれないと思います。『刹那の渦』に関しては、『飛花』よりも冷静にアルバム全体やいろんな状況を俯瞰で見ながら書いた気がします。表題曲と言っていいかはわからないですけど、すごく意味のある曲だと思います。『飛花』の時は、なるべくそういう感情は入れないようにしてたんですけど、どうしても『この世界が悪い方向に変わってしまっていることがすごく悲しい』みたいな気持ちが含まれていたかもしれなくて。『刹那の渦』に関しては、いつか状況が落ち着いた時に今の状況が思い出になることを願っているようなところがあると思います。渦中が過ぎたあとに聴いたら意味があるんじゃないかなと思って書きました」

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる