DOBERMAN INFINITY メンバー分析【入門編】Vol.4:SWAY

DOBERMAN INFINITY SWAY、ソロ&俳優でも活躍するクリエイティブな才能 滑らかなフロウで伝える“等身大のヒップホップ”

 次世代のバイリンガルラッパーの代表的存在と言われるSWAYは、ややハスキーで華やかな歌声と、トーンを抑えながらも細かな抑揚で魅せる、滑らかなフロウが特徴的。「ずっとラップをやってきた自分からすると、メロディがついていようが、キーの高いものを歌おうが、ラップに毛が生えたようなものかなと思ってやってます(笑)」(引用:BARKS)と語るように、メロディアスな楽曲も自由自在に歌いこなしている。曲を作る上で心がけているのは、「自分にウソのない言葉選びや音楽性」(引用:大手小町)であること。以前は、“ヒップホップ=ワルがやる音楽”という先入観とかけ離れた恵まれた生い立ちに悩んだこともあるそうだが、今は等身大であることを大事にしており、メジャーシーンで活動する「ストリートのラッパーとは離れた場所にいる自分だからこそ、伝えられるヒップホップもあると思う」(引用:BARKS)という想いも語っている。

 2016年からは、1DJ・4MCスタイルのヒップホップグループ、HONEST BOYZとしても活動スタート。2017年には世界的レーベル<Def Jam Recordings>からシングル『MANZANA』をリリースし、念願のソロデビューを果たした。10代の頃にもインディーズでリリースしたことがあったが、ヒップホップレジェンド達が名を連ねる<Def Jam Recordings>からのソロデビューは、SWAYにとって「全く叶うと思ってなかった夢」(引用:モデルプレス)だったようだ。さらに、今年12月にリリースしたDOBERMAN INFINITYの最新シングル『6 -Six-』には、ボーカル KAZUKIとの初のコラボ曲「DESTINY -S.O.L- feat.SWAY、KAZUKI」も収録。R&Bを得意とするKAZUKIのエモーショナルな歌声に、SWAYの吐息交じりのラップが寄り添い、セクシーでドラマティックな楽曲に仕上がっている。

SWAY - MANZANA

 SWAYのキャラクターは、DOBERMAN INFINITYの特攻隊長。GS曰く「ライブでも音楽面でも最初に出ていって火を付けてくれる役」(引用:DOBERMAN INFINITYが語る、“5人で歩んできた5年間”の絆「誰ひとり欠けていたくない」)で、場を盛り上げるのも、話をまとめるのも上手。グループとしての活動だけでなく、ソロ活動や俳優業、クリエイティブユニット・N0IRとしての活動など、多方面で活躍していることからも、彼の要領の良さやセルフプロデュース力の高さが伝わる。多数のアーティストとのコラボレーションも、彼の気さくな人柄、広い交友関係が為せる技だろう。メディアに出る機会が一際多いだけに、中には、グループを離れて手広く活動することをよく思わない人もいるかもしれない……。しかし、SWAYの根底にあるのは、自分が注目されることではなく、かつてDOBERMAN INFINITY結成前にメンバー同士で語り合った「日本でヒップホップをもっと大きなものにしたい」(引用:ぴあ中部版WEB)というブレない野望。DOBERMAN INFINITYという確かな居場所、頼もしい仲間達に背中を預けて、SWAYは己の信じる道を切り開いていく。

■斉藤碧
エンタメ系ライター。
ダンス&ヴォーカルグループ、アイドル、ロック、ヴィジュアル系、俳優などジャンルレスで執筆中。V系雑誌「Stuppy」では編集も担当。
Twitter:@stmdr38

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