LiSA、ライブアーティストとしての凄まじさ 楽曲と一体化する圧倒的パフォーマンス見せた『ONLiNE LEO-NiNE』レポ

 そして「紅蓮華」では、ライブアーティストとしての凄まじさをますます突出。鋭い目つきから攻撃的な一挙手一投足まで、「炎」までと比べ物にならぬ殺気を放っていた。まるで自身が“炎”で、“紅蓮華”であるかのように激しく振舞う姿は、楽曲と一体化をしているという言い方が正しいかもしれない。そんな圧倒的なパフォーマンスからダメ押しのように、「Rising Hope」や「ADAMAS」を歌唱。ここまでくると、彼女が音楽にかける強い想いが伝わりすぎて、むしろ切なくなってしまう。

 ただ、ライブの最後に待つのはいつだってLiSAの笑顔である。ラストナンバー「ハウル」をのびやかに、健やかに歌いながら、この一年間を温かく総括する言葉が届けられた。

「いつも当たり前のようにあった幸せが、特別なんだって気づいた2020年。キミのことをたくさん想って、どうしてもキミに会いたくなった2020年。不安があったり、不安になったり、立ち止まったりしそうになっても、今日、私たちはここにたどり着いた。いつも本当にありがとう。もっともっと最高な未来が私たちに待ってますように。今日を超えていけ、もっともっと超えていけ」

 今回のライブに際して、LiSAは「わたしの音楽活動は、大きな意味と、多くの時間がライブと共にありました」と述べていたが、様々な人々の想いを“大きな意味”をもって音楽に昇華する人生は、ありきたりな言葉だが期待と不安の連続だろう。年末には『NHK紅白歌合戦』に2年連続で出場を果たすなど、名実ともに日本を代表するロックヒロインとなったLiSA。そんな今だからこそ、『鬼滅の刃』関連作品のみならず、最新アルバム『LEO-NiNE』収録楽曲の多くを披露した今回のステージを通して、改めてLiSAというアーティストの全体像を目撃できたことは、非常に価値ある体験だった。特別な力を持つ彼女の歌は、今の世界になくてはならない。

■一条皓太
出版社に勤務する週末フリーライター。ポテンシャルと経歴だけは東京でも数少ないシティボーイ。声優さんの楽曲とヒップホップが好きです。Twitter:@kota_ichijo

■セットリスト
2020年12月12日(土)
LiSA『ONLiNE LEO-NiNE』
SET LIST
1. マコトシヤカ
2. Catch the Moment
3. 晴レ舞台
4. エレクトリリカル
5. 愛錠
6. わがままケット・シー
7. unlasting
8. cancellation
9. 赤い罠(who loves it?)
10. 炎
11. 紅蓮華
12. play the world! feat.PABLO
13. Rising Hope
14. ADAMAS
15. ハウル

見逃し配信情報
12月19日(土)23:00まで見逃し配信中

『ONLiNE LEO-NiNE』特設ページ

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