GENERATIONS 数原龍友、「タイムカプセル」で歌う“大切な思い出” 『6 from HiGH&LOW THE WORST』を美しく彩る
続いて詞を掘り下げると〈意味のない戯れだと/わかっていたはずなのに/意地を張るばかり〉という箇所は、たった一人で苦難に立ち向かうために誤った道を選んでしまった、映画『HiGH&LOW THE WORST』での新太を連想させる。そしてその新太が幼馴染たちの絆の記憶によって救われたように、そこから抜け出すきっかけもまた〈忘れてた あの日の記憶〉と歌われている(これに続く〈フラッシュバック〉もまた、あくまで無意識に呼び起こされるものという点ではタイムカプセルと共通している。)。
なお、ドラマ『6 from HiGH&LOW THE WORST』では、幼馴染たちがそれぞれの道へ進む中で様々な事件が起き、日常が少しずつ変容していく様子が描かれてきた。おそらくこのドラマは、「タイムカプセル」における〈夢の続き〉へと繋がっていく物語だ。今後の展開は現時点ではわからないが、〈馬鹿みたいに笑い合った/今日までの日々が そう/未来(あす)を紡ぐストーリー〉と繰り返し歌われるこの曲が物語を支えているという事実が、すでに彼らの行く先にある希望を指し示しているようにも思えた。
また、ドラマの中の幼馴染たちのような“人と人”の記憶でなくとも、長く大切にしてきたものがそのまま「タイムカプセル」のように、思い出や感情を閉じ込められた大きな財産となることもある。この曲もまた、未来の誰かにとっての〈懐かしい音色〉となるのだろう。誰しもが変化を余儀なくされた2020年における、大切な思い出の一つとして。
■日高 愛
1989年生まれの会社員。