SMエンタから日本人メンバー含むガールズグループ aespaがデビュー LOOΠΔで評価されたイ・スマンの美学を踏襲するか

 これまでの情報でグループの世界観はようやく見えてきたが、肝心のサウンドの特徴はわかっていない。とはいえ、わずかではあるがヒントとなるものも提供されている。11月2日に公開した、各メンバーのプロモーションビデオを組み合わせた短い動画がまさにそれである。ここでのスタイリッシュでポップな編集センスを見ると、すでに活躍中のあるガールズグループを思い出す。

aespa 에스파 - SYNK, æspa

 LOOΠΔ(LOONA/今月の少女)という12人組が今、アメリカのマーケットで大いに受けている。今年2月に出したミニアルバム『[#]』(リードトラック「So What」)で世界進出のきっかけを作り、最新アルバム『[12:00]』(リードトラック「Why Not?」)はビルボードの総合アルバムチャートで112位をマークした。これはK-POPガールズグループとしてはBLACKPINKや2NE1、少女時代に次ぐ記録で、LOOΠΔのような比較的小さい芸能事務所に所属するグループとしては“歴史的快挙”となる。

[MV] LOONA(이달의 소녀) _ Why Not?
[MV] LOONA(이달의 소녀) _ So What

 彼女たちを世界的成功へと導いたのは、SMの代表として知られるイ・スマンだ。彼はLOOΠΔによるNCT 127「Cherry Bomb」のダンスカバー映像を観て関心を持ったそうで、『[#]』と『[12:00]』を2作連続でプロデュースしている。しかもSMの所属アーティスト以外で直接プロデュースしたのは、LOOΠΔが初めてだというから驚きだ。

 イ・スマンがLOOΠΔで試したのは、ガールクラッシュとガーリッシュな要素をほどよいバランスで組み合わせたスタイリッシュなポップミュージックを作ることだった。それはEDMをベースにしながらもアジア的な情緒があり、全体的には「エッジがきいた」という表現がよく似合うサウンドメイクを指す。久しぶりのプロデュース作が海外でも好評だったことは、彼の自信と誇りになったに違いない。

 となるとLOOΠΔで高く評価されたイ・スマンの美学(もしくは方向性)をaespaでも踏襲するのではないか、と思うのだ。もちろん現時点では断定はできないが、連日アップされるaespaの動画や画像を見ていると、どことなくLOOΠΔに似たムードも漂っており、あながち外れではないような気がする。注目のデビュー曲「Black Mamba」はまもなくリリースされる。今回の予想が的中するかどうか、今から楽しみだ。

■まつもとたくお
音楽ライター。ニックネームはK-POP番長。2000年に執筆活動を開始。『ミュージック・マガジン』など専門誌を中心に寄稿。『ジャズ批評』『韓流ぴあ』で連載中。ムック『GIRLS K-POP』(シンコー・ミュージック)を監修。K-POP関連の著書・共著も多数あり。

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