OWV 佐野文哉、惜しむことない努力で掴んだ“アイドル”としての夢 ステージを降りると一風変わった一面も
JO1を生み出したことで知られるサバイバルオーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN』。ついにここから新たに期待の新グループ・OWV(オウブ)が輩出されることとなった。OWVを構成するのは本田康祐、中川勝就、浦野秀太、佐野文哉の4人。グループ名の由来は“Our only Way to get Victory”で、「勝利を掴む僕たちだけの道~ 誰にも真似することのできない唯一無二のグループとなり、この世界で勝利を掴む」という意志が込められている。待望の1stシングル『UBA UBA』を9月30日にリリースしたが、グループ結成決定時からすでに大きな話題を呼んでいた。
4回にわたりOWVメンバーを1人ずつ紹介してきた本コラムも今回で最終回を迎える。最後に紹介するのは青い髪色がチャームポイントの佐野文哉。
佐野文哉は山梨県出身、5月25日生まれの23歳だ。171cmと小柄ながらも、ステージ上では武器であるダンスで存在感を際立たせる。『PRODUCE 101 JAPAN』の1分間自己紹介では、軽快で面白いトークをしながら高度なテクニックの動きを見せつけている。ゆるいのかキレがあるのか絶妙な自己紹介動画だが、ひと目見るだけでダンスの実力は伝わってくるだろう。
番組内のポジションバトルで参加したSEVENTEENの楽曲「HIGHLIGHT」のパフォーマンスでもそのダンスの安定感がうかがえる。サビの部分では、キレのある動きから滑らかなウェーブまできちんとこなし、さらに表情の管理までしっかりされている。
様々なアーティストのバックダンサーを務めた経験がある佐野だが、BTSの日本公演にも出演したことがあるほどの実力のようだ。安定したリズム感や不安定感のなさは、そうした経歴やそこまでたどり着くまでの彼の努力の賜物であることに間違いない。
しかし、佐野はそういった誇れるほどの経歴を持っていてもなお上昇志向の人間であるということが『PRODUCE 101 JAPAN』を通して伺うことができる。第9話で行われたコンセプトバトルの「Black Out」のパフォーマンス。明らかにそれまでのステージとは違う伸びがうかがえる。ダンスの腕にも磨きがかかった上に、歌声や表情での表現もレベルが上がっており、パフォーマーとしての佐野文哉が、“アイドル佐野文哉”に進化しているように感じる。
OWVのメンバーとして受けたインタビューでも、「番組を通して学んだのは、ダンスや歌以外にも魅力がないと上には行けないということですね。(中略)プロになるのに実力があるのは当たり前。だから、見せ方とかキャラクターとか、ほかの部分でも人を惹きつけないといけないんだなって、考え方が変わりました」と答えている佐野。
OWVというグループとしてのデビューは、こうした彼の惜しむことない努力によって掴むことができた夢なのだろう。