×ジャパリ団、有観客と生配信で作り上げた熱気ある景色 初の単独ライブレポート

 このあと、小泉がペンライトを使った振り付けレクチャーを経て、この日2回目の「どきどき黙示録」へ。1回目よりも息の合った振り付けを楽しむことができ、ラストには紙吹雪が舞う演出でメンバー、団員の一体感に華を添えた。そして本編ラストは、やはりこの日2回目の「確固不×論」。ステージ上の至るところからCO2が吹き上げる中、メンバーのみならず団員までもが激しいヘドバンを繰り広げ、この日一番の盛り上がりでライブは幕を下ろした。

 アンコールでは、『けものフレンズ3』に関する最新情報が告げられ、11月25日発売のキャラクターソングアルバム『MIRACLE DIALIES』にこの日のライブで初披露された×ジャパリ団の「ようこそジャパリパークへ メタルver.」も収録することもアナウンス。団員たちがこの情報に喜ぶ中、×ジャパリ団の3人が最後の曲の準備に入ろうとすると、スクリーンには予定外の映像が流れ始める。ライブのオープニングと似た流れに動揺を隠せないメンバーをよそに、映像では2021年4月25日に×ジャパリ団の単独ライブ開催をアナウンス。メンバーにも知らされていなかったサプライズに、団員からは祝福の拍手が送られた。

 未来へとつながる次のステップを前に、この日のライブを振り返る3人。船戸が「私、(夕べは)眠れなかったんだよね。楽しみなんだけど、不安もあって。一生懸命練習したのが伝わらなかったらどうしようって。でも、みんなの(ペンライトで作る)×を見て安心しました」と本音を吐露すると、小泉も「私たちがずっと観たかった景色を観られたのも、皆さんのおかげ。次も決まっているので、ここで足を止めることができません。このまま3人で成長していきたい!」と続け、涙混じりの未来が「声が出せないライブは初めてで、みんなも不安だったと思うんです。でも、ジャンプしたり×したり、みんな楽しんでくれていることを肌で感じた1日でした」と団員に感謝の気持ちを伝えた。そして、「また再会する日まで」の一言とともに「ジャパリ狂詩曲〜×ジャパリ団のテーマ〜」にて2時間以上にわたる初の単独ライブを締めくくった。

 彼女たちらしいカバー曲や盟友たちのゲスト参加、メタリックな楽曲と真逆のユルユルなトーク&ゲームなど、首尾一貫して×ジャパリ団らしい内容だった初の単独ライブを終え、3人は7カ月後に控えた次の単独ライブに向けて再び歩み始める。その時にはどんなエンタメ色の強いステージを提供してくれるのか、そして一緒にシンガロングすることができるのか。正直なところ、今は不安も抱えているが、いつかこの不安が完全に払拭され、お互い完全な状態で“かの地で相まみえ”たいところだ。

■西廣智一(にしびろともかず)Twitter
音楽系ライター。2006年よりライターとしての活動を開始し、「ナタリー」の立ち上げに参加する。2014年12月からフリーランスとなり、WEBや雑誌でインタビューやコラム、ディスクレビューを執筆。乃木坂46からオジー・オズボーンまで、インタビューしたアーティストは多岐にわたる。

■セットリスト
01. The Final Countdown(Europeカバー)
02. どきどき黙示録
03. ×レゾンデートル
04. 確固不×論
05. はなまるアドベンチャー(はなまるアニマル)
06. いつだってはなまる(はなまるアニマル)
07. ジャパリ狂詩曲〜×ジャパリ団のテーマ〜
08. 絆ふぉーえばー
09. ようこそジャパリパークへ メタルver.
10. どきどき黙示録
11. 確固不×論
<アンコール>
12. ジャパリ狂詩曲〜×ジャパリ団のテーマ〜

×ジャパリ団 オフィシャルサイト

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