土岐隼一が切り拓く、声優の新たな表現スタイルとは? 独自の音楽的ルーツを落とし込んだ新作『True Gazer』から紐解く
声優発のアーティストの強みとして、声が聴きやすく、よく通ることが挙げられると思うが、土岐の歌は特にその声優然とした“発声のよさ”が活かされているのを感じる。アーティストデビューで初めて“自分の曲”を歌うことが決まり、“自分らしさ”をどう出すか迷った時、声優として演じたキャラクターでの表現やキャラクターソングでの経験を当てはめることで、活き活き歌うことができたという。
声優がアーティスト活動をすることはもう珍しくはない。次に求められるのは、その中でどうやって個性を出すかということになってくるだろう。声優としての経験、独自の音楽的ルーツを着実に作品に落とし込む土岐の音楽は、きっと他にない道を切り拓いていくはずだ。
■満島エリオ
ライター。 音楽を中心に漫画、アニメ、小説等のエンタメ系記事を執筆。rockinon.comなどに寄稿。
Twitter(@erio0129)