BiSは、解散/再始動を経て進化していくーーWACK所属グループの特性を分析
そして現在の第3期BiSへと繋がるわけだが、第3期は名前は同じでも全く別のグループと思っている人が多いかもしれない。第2期は第1期の曲を歌い継いでいたが、第3期は過去曲を歌い継がず、すべてが新曲だからだ。しかし過去のBiSを蔑ろにしているわけではない。「BiS-どうやらゾンビのおでまし-」では〈何度でも行かなくちゃ〉と歌い、「BiS3」では〈行かなくちゃ/まずあなたの上へ〉と歌っている。〈行かなくちゃ〉は、第1期が「BiS」という曲で、第2期では「BiSBiS」「WHOLE LOTTA LOVE」などで使っており、グループにとって重要な言葉。そもそも「第1期BiSの活動を理解できる人」という条件で第3期のオーディションは行われ、そこで選ばれたメンバーが第3期BiSだ。それらのことからBiSの意思は受け継がれていることがわかる。
音楽性は第1期から変わらずにロックサウンド。第2期のように疾走感があり、前向きなメッセージの曲や明るい曲調も多い。過去の魅力的な部分をミックスさせ、「音楽が良い」と言われ続けてきた高い音楽性はしっかりと守っている。第3期は過去で最も技術があり、より音楽の魅力をしっかり伝えることができるメンバーが揃った。そして先輩たちの意思や音楽を受け継いだ第3期BiSは、過激なパフォーマンスやプロモーションをせずとも、音楽だけでも勝負できる実力を手に入れた。BiSはメンバーが変わっても、何度解散して再結成しても、魅力的でカッコイイ。その理由は過去を大切にしつつも進化し〈何度でも行かなくちゃ〉と力強く歌える前向きな想いを持っているからだ。
■むらたかもめ
オトニッチというファン目線で音楽を深読みし考察する音楽雑記ブログの運営者。出身はピエール瀧と同じ静岡県。移住地はピエール中野と同じ埼玉県。ロックとポップスとアイドルをメインに文章を書く人。
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